昨日は卒業式でした。
息子は欠席でしたが、私はPTA役員として最後のご奉公に行って参りました。

式が始まり生徒の名前が次々と呼ばれ(息子の名前は呼ばれるのかな?)と思っていたら、ちゃんと呼んでくださいました。

一人ずつ証書をもらう姿、制服姿、ステージ、先生…特に女の子を見てると当時の自分と重なり、何度か過去に引っ張られ苦しくなる時がありました。

自分で自分に
(あぁ…まだ苦しいな…。しんどいな…。でも…苦しいと思うことを自分に許してあげているんだ…まだ苦しくてもいいんだ。以前は苦しいと思っていることさえ封印していたし…)
そう問いかけました。

卒業証書授与の後は、卒業生による感謝を伝える会として、合唱と言葉のプレゼントがありました。
何曲かある中、ファンモンの『あとひとつ』を聴いた時は、歌詞が胸に迫り涙が流れてきました。
息子も大好きな歌のひとつです。

親に
育ててくれてありがとうと感謝する言葉。

先生に
わかりやすく教えてくれてありがとうと感謝する言葉。

友達に
仲良くしてくれて、ライバルでいてくれてありがとうと伝える言葉。

後輩に
ついて来てくれてありがとうという言葉。

私に言われたわけでもないのに、たくさんのありがとうの言葉で心が洗い流されていくようで涙が次から次へと溢れ出して止まりませんでした。
私からも子供達に温かい気持ちを届けてくれてありがとう、です。

式も終わり、親と子供が一緒に歩いて、在校生の見送りの前を通り校門を出て行くのですが…
私には一緒に歩く息子がここにはいません。
何人か欠席の生徒もいましたが、子供が来ていないのに出席している親は私だけで…
仕方ないので、ここは通らないだろうと思う場所に移動してやり過ごそうと思っていたら、こちらに向かって卒業生達が歩いて来て皮肉にも私の目の前を通っていきました…
さすがに…
まだ修行中の身である私には…
『おめでとう』の気持ちより
『うらやましい』気持ちのほうが上でした…
直視できませんでした。
幸せそうに歩いてくる笑顔に背を向け、壁を見ながら泣いていました。
やっぱり、息子がここにいないのは淋しかったです。

この場所、行き止まりで列を横切らないといけないので…動けず…。

(息子に来て欲しかったという気持ちがありましたよ…まだ全部手放せていないし…だからって…こんな課題まで出さなくてもいいじゃないですか…今日はもう勘弁してくださいよ……)

と、誰に訴えるわけにもいかないので、神様がいることにして、心の中で愚痴っていました。(^^;;

そうしたら、一緒に役員やっていたお母様が
「ほら、行くよ。一緒に帰ろう(^^)」
と言って私の肩を抱いてくれました…


もう…
本当に…

ありがとうも言えないくらい
泣けました…


この気持ち、このお母様の優しさ、
一生忘れません。
憂いている人の隣にそっといてあげる…『優』しさ…
教えていただきました。

辛いことのあとには嬉しいこともあるもので…神様(笑)愚痴ってごめんなさい。m(_ _)m

苦しい思いの何倍も何十倍も人の優しさを受け取ることができました。
課題もいいものです…(笑)
m(_ _)m

家に帰り一息つく間も無く電話がなりました。
担任の先生からです。
「欠席の生徒の卒業証書をこれからお渡ししたいのですが息子さんは来られそうですか?」
と。
息子は行きませんので私はまた学校へ卒業証書を受け取りにとんぼ返りです(^^;;


校長室に通され、3年の先生方全員が集まってくださり、校長先生が証書を読んでくださり、優しい拍手で息子の卒業を祝ってくださいました。
わざわざ私と息子のために集まっていただいた先生方に感謝でいっぱいです。
また泣いてしまいました(^^;;
ありがとうございますを伝えるのがやっとでした…
こんなにも優しい人達に囲まれ、助けてもらっている私と息子は、本当に世界一の幸せ者です。(^^)

今、ここにはいない息子ですが、いつか必ずこの優しさと幸せを受け取れる日がくると信じています。
その日までは、私の中にしまっておきます。

家に戻り卒業証書と記念品、卒業アルバムを息子に渡し、

「卒業おめでとう。三年間、よくがんばったね。立派だったよ(^^)」

と、伝え頭をポンポンすると…

『オレ2年と少ししか行っていないけど…いいの?』

「うん。もちろんいいよ。それでいいんだよ。(^^)」

『ありがとう…』
照れ臭そうに小さな声でしたが、
そう言ってくれました。

卒業式の日のことは、一切話していません。何か聴いてくるまでは、話さないで私の心の中で温めておきます。


今回の卒業式で抱えきれないほどたくさん、人の暖かくて優しい気持ちをもらい、本当に幸せな幸せな時間を感じることができました。
同時に今回は私の卒業式でもありました。
私の中学時代の嫌なことを消すことはできませんが、今回の卒業式で感じた先生方の素晴らしさやお母様たちの優しさ、子供達の素直さ。
学校って悪くない…中学校っていいところだったんだな…
そんな気持ちを、新しい『過去』にすることができそうです。

ですから、
私の卒業式みたいでしたね(^^;;

息子が
(そうだろそうだろう、母さんのためにオレは不登校になり、母さんの心にある中学校から卒業させてやるためにやったんだよ。やっと気づいてくれた?笑)
と、言っているようです。


息子へ

ありがとう。