渋々ながらも部活を頑張っていた息子。
ただ、外部指導員の練習には参加しなくなりました。

そして、少しづつ、仲間との間にも違う空気がながれ出していたのかもしれません。
それでも、なんとかレギュラーになれそうな位置まで頑張っていました。

先生の一言を聞くまでは…

「外部指導員の練習に欠席のものは、
   レギュラーメンバーから外す」

確かに、他の生徒はいやいやながらも休まず頑張っていましたから、技術だけではなく、日々の努力が報われるべきです。
そのことに異論はありません。
ただ、息子にとっては最後通告です。「切り捨てられた」と思っても仕方ないのではないでしょうか。
その後のフォローがないのですから…
みんなと同じように行動できない息子は
仲間にはなれないのでしょうか…
私の中にも、釈然としないものが靄のようにたちこめました。

「続けるか、辞めるか考える時間を
   ください」

息子は先生にそう告げ、しばらくして退部しました。


その時、私は続かなかった挫折感でいっぱいだったのです。息子ではなく私が…。
中体連まであと半年だったのですから…


私はこの時も間違いだらけでした。

息子が続かなかったのは、外部指導員のせいでも、学校のせいでも、先生のせいでも、仲間のせいでもなく、息子の気持ちをわかろうとしなかった私と、今まで自己肯定感を育ててあげられなかった私の育て方のせいなのです。

ただ、当時はなんとなく、私が間違いなんだろうなと感じ始めましたが、自分の心に蓋をしました。

何故かって……


自分を全否定されるようで、今まで頑張ってきた14年が無駄だったと言われているようで、それを認めたら、立ち上がれないほど打ちのめされるだろうと、見えない恐怖に縛られていたのです。


私が自己保身に必死な時、息子は挫折感、敗北感、孤独感に一人立ち向かっていたのではないでしょうか。誰にもわかってもらえない想いを心の壁にして……