facebookとTwitterで経過をお話していた、子猫のことを書きます。
今の気持ちを一言で表現するならば「慙愧」という言葉が一番合ってる気がします。
今日のブログは、私がもっと危機感を持って行動していたら助けられたかもしれない、助けられなかった小さな命、瑞穂のこと。
悲しい結末だし、小さな命と日々真剣に向き合っている方にとっては腹も立ってしまう内容だと思うのですが、二度とこんな取り返しのつかない失敗をすることがないよう、自分への戒めのために。。。
だらだらと長いブログになると思います。。。
母から「今朝、玄関に子猫がうずくまってたの」と連絡があったのは10月9日の午後三時半頃。
手を伸ばしたらすごい勢いで威嚇され、相手が小さい子猫とはいえ母は相当ビビったとか。
知らない人間がいきなり手を伸ばしてきたら当然威嚇するだろうと思うのですが、母にとっては予想外の反応だったそう。
元気いっぱいに走って逃げていったなら私に連絡することもなかったそうですが、後ろ足を怪我してひきずっているように見えたので気になったのだとか。
母は白血球が異常に少ない持病を持っていて、室内飼いの猫なら噛まれたり引っかかれたりしても平気だけど、野良猫ちゃんに引っかかれることは、実は大変危険。
急いで園芸用の皮手袋をして子猫の逃げた方角へ。
タオルでくるもうと追いかけたけれど、その頃には園芸用品や庭掃除の道具などを置いてある、物置の前の棚の下のわずかな隙間に入り込んでしまって手が出せなくなっちゃったらしく。
しばらく庭から時々鳴き声が聞こえたそうですが、私に連絡をした午後三時半頃は聞こえなくなったので、どこかに行っちゃったんだろうな、と二人ともそんな風に軽く考えてしまいました。
今思えば、この段階で私がなんとか仕事の段取りを考えて時間を捻出し、たとえ実家に着くのが夜になったとしても急行すれば、結果は違ったかもしれないんです。。。
急ぎの納品さえその日に終わらせれば、後は比較的時間に余裕のあるお仕事が残っているだけだったのに・・・・。
どうして「鳴き声が聞こえないのは弱ってきたから」と考えず、のんきに「どこか行っちゃった」と考えたのか。。。
小さな子猫なのに。。。
実はこの時、すぐには動けそうもないので三春町の「にゃんだーガード」 さんに助けを求めようとも思ったのです。。。
何故そうしなかったかというと、母から「子猫を何が何でも保護しよう!」という熱意が伝わってこなかったから。。。
当事者でもない私がひとりで熱くなってはいけないと思ってしまって。。。
私は直接子猫を見たわけではないのに、母の話だけで勝手に「(子猫の)体力的な猶予はもう少しありそう」と判断してしまいました。
もう朝晩寒い季節になっていたのに。
「ももじろう」のような大きな子ではなかったのに。
小さな子猫に「体力的余裕」なんてあるはずないのに。
そしてなんと、私が動いたのは丸々二日も経ってしまった11日の朝。
どうにも胸が騒いで騒いで仕方なく、仕事の目処もついていたし主人も仕事が休みだったし、夫婦で私の実家に行きました。
50坪ほどの広さの庭を、母から話を聞きながら捜索開始。
すぐに気づいたのは、「母から電話で話を聞くだけなのと、実際に現場を見てみるのとでは判断できるものの質も量もレベルが違う」ということ。
子猫目線で四つん這いになってみると、見慣れた実家の庭がとても広く感じます。
それに、小さな子猫が潜り込みそうな隙間が、思った以上にたくさんあることにも気づきました。
母が言うには「最後に見たのがお隣との境なの。低いブロックが二段積んであるだけだから足の悪い子猫でも乗り越えられるかも。お隣の物置の下に猫ちゃんが気に入りそうなスペースがあって。」とのこと。
でも、母が言ったお隣の物置の下は成猫ちゃんにはちょうどいい隠れ家になるけど、子猫にとっては高さもあってかなり広そう。
なので、なんとなく「子猫ちゃんはもしかして庭を出ていないんじゃ。。。」と思いました。
子猫はずっと庭にいる可能性が高いと予想して、再び四つんばいになって子猫目線で見てみると、やっぱり気になるのは物置の周辺。。。
あれなんて言うんでしょう?
床下の風通しを良くするための換気口?
そこは小さな子猫が入って安心しそうな空間になっています。
月と海が六週齢くらいでうちに来た頃、入り込まれて大変だった隙間の大きさと似ています。
奥に入ってたら助け出せないな・・・、と思いながら懐中電灯を手に暗がりをのぞいてみたりしたけど見つからず。。。
けれど、どうにもこうにも「物置」が気になります。
物置の周りに結構ごちゃごちゃ園芸用品が置いてあって(ほとんどが亡き父の形見)、子猫時代の月海が好んで潜り込んでいた隙間と似たような隙間がたくさんあるのです。
その隙間をひとつひとつ、確認していたら。。。
一瞬心臓が止まりそうに。。。。
キジトラ模様の小さな頭が見えました。
奇跡を願ったけど、微動だにしない小さな頭。
そっと手を伸ばしたら、ひんやりして。
母と主人を呼んで、子猫を見つけたことを報告しました。
ボロボロと、涙がこぼれてきて。
子猫がいたのはなんと、最初に母から逃げて潜り込んだ棚の下でした。
最後にそこに戻ってきていたんです。。。
「そこ、何度も捜したのにいなかったんだよ」と母が。
もしかしたら奥のほうで小さくなっていて、ちょっとした地面の窪みや棚の足などの陰になって、たまたま見えなかったのかもしれません。
私が見つけたときは、棚の下から出ようとして力尽きたような格好で横たわっていました。。。
すっかり冷たくなってしまった身体をそっと持ち上げ、棚の下から出してあげたら、ガリガリに痩せ細っていて。。。
骨格の大きさからすると、多分二ヶ月くらい。
寒かったね・・・寂しかったよね・・・お腹も空いてたよね・・・。
母が置いた子猫用のウェットフードは、10日に確認したときは無くなっていたそうで、子猫の口に入っていたのならいいなとは思うけれど。。。
子猫には、瑞穂、と名前をつけました。
せめて、豊穣の秋の恵みとともに空に上れますように。
実家に入ってみると、ちょっと驚きました。
電話では、保護に積極的だとは思えなかった母が、瑞穂のためにベッドやトイレなど、一式準備していたのです・・・。
しーちゃんといきなり会わせるわけにはいかないので、隔離できるように部屋を分けて。。。
やはり当日に、実家に来るべきだったと、またしても後悔しました。。。
悔やんでも悔やみきれない出来事。
「運命」とか「仕方なかった」とか、そんな言い訳できない。
「次の反省にすればいい」と言ってくれる人もいるけど、瑞穂に「次」はないから。。。
瑞穂。
ちっちゃなキジトラの女の子。
一度も名前を呼ぶことができなかったけど、瑞穂はうちの子だよ。
ずっと、忘れないから。。。
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