私は連絡を待つ事しか出来なかった。

母に電話しても今は大変なはずだからやめておこう。

みんなの命が助かっているのだからとにかく待とう。

と思っていると、母から着信が。




母「家が燃えてしまったよ…なんでこんなことに…何か悪いことしてしまったのかな」

私「そんな事ないよ!気を確かにもって!」 

母「そうかな…これからどうやって生きて行けばいいんだろう」

私「みんなついてるよ、大丈夫。心配はいらないよ」




母は燃えさかっている家を見ながら電話してきたのだろう。

こんな時に励ましてあげたくても気の利いた言葉が出てこない。

すぐにでも行ってあげたかった。

でも今私が関東から東北の田舎に行ってしまったら、コロナを持って行ってしまう可能性がある。

行ってなにができる?

ずっと自問自答している。




近くでは、車で通りがかったであろう若者が火事を見て『ヒャッホー!!』と騒いでいたらしい。

腹が立つ。





一夜明け実家は全焼。

昨日、現場検証が行われた。

原因追及できず、今日科捜研が入った。






火事の原因は、タコ足配線だった。





父が使っていた古いパソコンのコンセントを母は抜いたと思っていたらしく、使っていた期間も含めて20年程差しっぱなし。

そこから出火したのが原因との事だった。





2階に行かない日はほとんどなかった母。

たまたまその日は行かなかった。

晴れた日で、畑で苗を植えたり作業していたらしい。

もし、もしも、少しでも2階へ行ってたら臭いで気づいたかもしれない。

火事に気づいた時に聞いた物音は、もしかしたら父が知らせてくれた音だったのかも。