まだ感想文まではいきませんが、豊富な実務に裏付けされた解説は非常に参考になります。
近年では企業のM&Aを多く手がけてきた大手企業や金融機関等が医業継承の仲介事業にも進出し、巨大なデータベースを用いてそれまでの手法ではもっとも困難であった「マッチング」を進めることで、一気に「成約率」を上げることに成功しています。
しかしながら、仲介事業者は「成約」することがゴールであるのに対して第三者承継の当事者であるドクターにとっては承継はスタートであるという立場の違い
まったく同感です。
医療機関の場合には、さまざまな法規制があり、地域でのしがらみも地域医療の維持という観点からも考慮しなければならないと思います。
肝心なことは事業承継後のことだと思います。
熊本では事業承継直後の買い手の医療機関側にいましたが、医薬品や医療機器の処分等 まさに実際に経験していました。
その流れが非常にわかりやすく解説されています。
また譲渡価格についても基準はなく、売り手と買い手の合意次第でした。
ただ「のれん代」(営業権)をどう評価するかは、参考にさせていただきます。
実際には、買い手は「眼科」「耳鼻咽喉科」ななかなか見つかりません。
ある金融機関系の仲介業者からの依頼で九州新幹線沿線で売り手を探していますが、なかなか見つかりません。
水面下で実際に関わっていた案件では、医療機関同士の合併がありました。
売り手は病床数19床の個人の有床クリニック、買い手は病床数19床の医療法人
ある大学の医局主導で進められた一部合併でしたが、事業承継と同様でした。
売り手の個人クリニックは病床数19床→4床へ
買い手の医療法人は病床数19床→34床へ
目的は買い手の19床の有床クリニックの医療法人を34床の病院にすることでしたが、問題は売り手の有床クリニックです。
病棟を完全に廃止すべきだと思いました。非常に経営効率が悪くなります。
わずか4床のために夜間当直要員と厨房スタッフの確保が必要になります。
不完全な事業承継だと思います。
大学病院の医局が主導して事業承継(合併?)を進めていましたが、途中で相談を受けました。
やはり第三者承継を考えた最初から相談していただきたかった🙇🏻🙇🏻
この本を読んで、クリニックの事業承継の手続きを進めていきたいと考えています。
“良書“をありがとうございました🙇🏻🙇🏻