-------------------------------------
応用編第3部、パターン認識編 Ⅲ
-------------------------------------
複数の図形を[0.1, 1]区間の複数の有限個の実数値にBP法で対応させることができます。
学習点の実数値には図形が対応しています。
では未学習の実数値に対応する図形はどうなるのでしょうか?

例: 図形1⇔0.5、図形2⇔0.6 なるBP学習後、
0.55に対応する図形をNNでsimulationするとどういう図形が得られるか?

パターン認識編Ⅱのsimulator(下記)の一部を転用して計算します。
---
NN-1:顔のイラスト→感情matrix*のBP計算&NN-3に渡す中間行列群をファイルに出力する。
NN-2:感情matrix→顔のイラストimagesのBP計算&NN-3に渡す中間行列群をファイルに出力する。
NN-3:NN-1/2の行列群を読み、種々の認識上の高次処理を行い、画像群を出力する。
---
*)感情matrixが今回は実数値になるので、NN-1は不要です。
NN-2以降のprogram modulesを使います。

図形は「変化を表す」ものが良いでしょう。

今回は一筆書き文字1個でやってみます。
HG行書体のひらがな「あ」の終端部分を画像エディタで一部を消去して、
その消去した部分を多くしていきます。
消去部の大きさ順に実数値を1→0.1に変えます。

消去を6段階とし実数値を{1,0.82,0.64,....0.1}としました。
BP学習は500回です。結果を示します。

<grwth3cmp.gif>
上段の6図形が学習図形です。図形の右肩部に実数値を示しました。
下段が未学習の実数値を入力したときの図形です。
妥当な結果と思います。
これがNNの図形補間機能です。

-----
NN-1の結果を実数値にすることもできます。

そういう計算の意味:
顔のイラスト→医薬品の化学構造を表す物理・化学的構造、物性を示す測定値、
実数値→生理活性を示す実験値、
と置換すれば、そのnetworkは「構造活性相関*」を表します。

*Structure-Activity Relationship (SAR) is an approach designed to find relationships between chemical structure (or structural-related properties) and biological activity (or target property) of studied compounds.

それは、医薬品開発を推進させるツールです。
こういうことは50年前には分かっていたのですが、
当時の8-bits computerでは十分な速度がなかったです。