こんにちは。
青山エルクリニック院長の杉野宏子です。
今日はウルトラセル治療の4回目です。
第1回目はミルフィーユリフトについて、
その後、SRR、GFRと浅い部位に効果のあるプローブから順番にお話してきました。
今回はもっと深い層である筋膜や脂肪内に熱を発生させ引き締めることのできる
HIFU(ハイフ)というプローブについてです。
まずは例によって治療風景から。
清水先生に頬の部分の治療をやっていただいております。
HIFUとは
High-intensity focused ultrasound の略で、
日本語では 高密度焦点式超音波 という名前が付いています。
intensity とは『強さ、強度』と意味です。
ultrasound は 超音波 です。
子供のころ、虫眼鏡で太陽の光を集めて、黒い紙を燃やす実験をなさったことがあるでしょう。
あのように一つの焦点に強い超音波を集めて、組織に熱を発生させています。
この方法は、体内にできてしまった結石や前立腺癌を、皮膚を傷つけずに破壊する治療法にも使われています。
超音波についてはまたの機会に説明しますね。
このプローブはカートリッジ交換方式です。
これは深さ4.5mmに熱を発生させるカートリッジです。
もう一つ深さ3.0mmのカートリッジもあります。
皮膚表面にやけどをつくらないで、皮膚よりももっと深い部分に50~60℃の熱を発生させることができます。
先程の虫眼鏡の実験でいうと、
虫眼鏡を皮膚表面において、
黒い紙が皮膚のはるか下、筋膜(SMAS)付近になるイメージです。
筋膜は燃えませんが、熱を発生して、熱変性を起こし、収縮します。
下の図左のように
4.5mmの深さが、顔の筋膜である(SMAS:スマス)の位置で、3.0mmの深さが脂肪層の位置になります。
深部の二つの層に熱を発生させ、コラーゲン熱変性をおこします(下図中)。
三次元的な組織の収縮(下図右)が起こります。
SMAS(スマス)とは Superficial Muscloaponeurotic System の略語です。
この上に皮下脂肪や皮膚が乗っているので、顔の土台となっている膜です。
SMASは1970年代に報告された筋膜で、これを引き上げて固定することで、フェイスリフト手術(耳の前あたりから耳たぶの周囲を回って、耳の後ろにかけて切開し、顔や首のタルミをとる手術)は格段の進歩を遂げました。
それ以前は皮膚だけを切除しており、手術後の後戻りが問題でした。
しかし土台であるSMASの処置を行うようになり、良い成績を挙げることができるようになったのでした。
ですから切らないタルミ治療でも、このSMASを引き締めることが重要なのです。
HIFUの治療中は場所によって少し痛みや熱い感じがあります。
特に下顎の骨の付近や頬骨のあたりです。
患者様が我慢できる程度のレベルで行いますので、治療中は必ず痛みをお教えください。
またウルトラセルのHIFUは、他のメーカーのHIFUに比べてやや痛みが少なくなるよう工夫されています。
より快適に治療を受けられるので、私はとても気に入っています。
少し長くなりました。
この続きはまた後日。
皆様、素敵な一日をお過ごしください。
http://www.aoyama-eluclinic.com/