宝塚大劇場公演は千秋楽が近づきましたね。
宝塚歌劇星組大劇場公演『桜華に舞え』『ロマンス!!(Romance)』の感想を…随分熟成させてしまいました。
主演として組を引っ張った北翔海莉さん、その相手役を見事に努めた妃海風さんというトップコンビのサヨナラ公演です。
北翔さんの同期で専科として数々の舞台を支えた美城れんさんもこの作品で退団。
北翔さん演じる桐野利秋と美城さん演じる西郷隆盛の姿がそのまま二人の姿に重なり、また見事な演技なので「惜しい人が去っていく」と涙が溢れました。
星組にとって久しぶりの日本物で、全編にわたり薩摩の言葉のアクセントによる芝居と、挑戦することの多い今作。
そこに取り組む星組の一人一人のエネルギーが、そのまま、江戸から明治への変革に全身全霊で向き合った人々のエネルギーへと繋がっているような舞台でした。
アナウンサー受験で鹿児島に行った際、西南戦争の最後の激戦地となった城山へ行ったことも、芝居を通して思い出されました。
市街地を一望できて、桜島も見えて、自然も豊かな場所です。
今では観光地となっている場所だけれどなんとも言えない淋しさが感じられる空間でした。
そこの売店のおねえさんから、薩摩の言葉のアクセントを教わったのだけど、音程とリズムで覚えるような感じでした。昔からの薩摩言葉になると今の私たちには耳と脳が追いつかないだろうなぁ、と日本語の幅広さにカルチャーショックのようなものを覚えた出来事でした。
今回のアクセントはだいぶわかりやすい形になっていましたが、それでもやはり耳馴染みのないものなので、もう少しテンポがゆっくりだとより聞き取りやすいな~と思いました。(私が見たときからだいぶ時間が経っているのでもう違うかもしれませんが…)
後半はロマンチックレビュー。
久しぶりに岡田敬二さんのレビューを拝見しました。
ゆったりと優雅な時間の流れがありました。
同じ1時間でもショーはカッコよくスピーディーな気がします。
レビューとショーの違いについて説明するのがいつも難しかったのですが、この時間と空間の印象の違いなんですね。
歌もなく音楽とダンスだけで見せる はシンプルな構成ですが描かれる情感たっぷりなとても美しかったです。
友情の場も心に歌が響いてきました。
全体として適材適所で役と見せ場を与えた作品で、
前回の大劇場公演を経て、星組としての舞台の魅力がさらに増したように感じられました。
宝塚大劇場公演を経ての東京はさらに見応えが増すことでしょう。