あれからしばらく、2人無言のまま時が過ぎていった。
「・・・ひろのぶまだおきてる?」
再び口を開いたのはみなものほうからだった。
「なんだ?」
「最初、お姉さんとは仲よさそうに見えたけど、ほんとは仲悪いの?」
「ん?悪くはないぞ・・ただちょっとところどころトラウマなだけだ・・。」
「・・・ところどころトラウマって。」
「あの通りおかしな姉だからな。傍若無人だし距離感おかしいし・・けど、基本的にはそんな嫌いじゃない。」
「ふーん・・・」
「よけいなこと考えてないで、」
「ひろのぶ・・」
「なんだ?」
「ど、どうしよう、おしっこ行きたい。」
「おしっこ、って、そんなもろにいうな。」
「だって行きたいんだもん。どうしよう、ドア開かないんだよね。」
「うーん、そろそろ封鎖も解かれてるかもしれれない。試してみるか?」
「う、うん・・」
ガチャッ・・
「あ、あいた・・」
「あいたな・・」
「いってくるね。」
「階段のすぐ脇だ・・」
「わかってる・・」
周りが寝静まりかえってるのを気にしてかこそこそする2人。廊下の時計はいつの間にか1時を指している。
「なぁ、そのまま帰るか?うちまで送ってくぞ。」
「うん・・そうしたいけど、駅ついても、もう電車とかもとまってるし朝まで待ってから帰る。」
「そ、そうか。」
「行ってくるね・・。」
裕信は一人先に部屋へと戻る。
「はぁーあぶなかった。」
「お前なぁ・・。まぁ、いいや。俺下にいって寝るから、お前この部屋使いな。」
「えっ、いいよ。・・そんなことしたらお姉さんに怒られるんじゃない?」
「別に大丈夫だろ?多分姉さんの目的は俺達に話をさせることだ。自分が昔したみたいに。」
「なにそれ?」
「さぁ、楽しかったんじゃないか?きっと。だから俺にもそうさせようとしたんだよ。」
「そう・・。じゃあそうしないとね。」
「?」
「このまま眠くなるまで話してよう。」
「・・・まぁ、お前がそれでいいなら。」
「じゃあ、ひろのぶとお姉さんの話して。」
「俺が一方的に話すのか?」
「そうだよ。じゃないとひろのぶが眠るまで私が話しないといけないじゃん。」
「あのなぁ・・。」
みなもが先に寝たんじゃまずいんじゃと頭をよぎったりもした裕信だが、よけいなことのようで結局みなものいうとおりにした。
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そして翌朝・・
「な、なんてかっこしてんだお前はっ!」
床の上でムニャムニャと寝ぼけてる様子のみなもの姿に驚いて声を上げる裕信。
「ふぇ?ん?な、なに?何が起きたの?」
「何じゃない、お前はっ、早く何か着ろ・・」
裕信は怒りながら後ろを向いている。
「えっうわっ。あっ後ろむいてて。」
あわてて近くにたたんであったブラウスに袖を通すみなも。
「まったくなんでそんなことになってる・・。」
「えっと、うっと、多分無意識に暑くてぬいだ・・。」
「気ぐるみはそうだとして、中の服は?」
「えーっと、これ暑かったから、昨日お手洗い借りたときにスカートと上は脱いでて・・だってしわになっちゃうでしょ?」
「あらあら、どうしたのかしら?」
「うわっ、い、いつの間に・・。」
「裕信、昨日はあんなこといってたくせに・・。」
「ち、違うんですお姉さん、っと、うわぁっ。」
「大丈夫かみなも?!って・・・」
着ぐるみに足をとられお尻を突き出す格好でひっくり返っているみなも。
「あら、みなもちゃん大胆ね。」
「た、助けて・・。」
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「お前はもう少しどうにかならないのか?」
「すみません・・。」
階下に降りてきて改めてみなもをたしなめている裕信。
「ほんとに、こんな朝早くから騒ぎすぎたわね。」
「そうだ、こんなに朝早くって・・あれ?何でまだ7時なんだ?確かさっきは・・。」
「あぁ、2階の時計1時間進んでるから・・。」
シレっという沙耶。
「まさか2階の全部か?」
「パパとママの部屋のはいじってないけどね。」
「でも私の腕時計も・・。」
「うん、お風呂はいってる間に。ごめんなさいね、帰したくなくて・・。」
「そこまでやるか普通?」
「普通って何?だって腕時計だけずれてたらバレちゃうじゃない。」
「まぁ、そりゃそうだけど・・って違うだろ!どうしてそんなことするんだっ!」
「あっ・・」
話のトーンを無視してみなもがつぶやく。
「なんだ、どうした?」
「家に連絡してない・・・。」
まだ続くぅ。