時給1000円 急募! 高校生求む。 ※制服着用、特に女子もしくはそれっぽい人。
「うーん、なんだろ、これ、大丈夫かな?」
とある喫茶店の前、制服姿の女の子が求人の張り紙を前に思い悩んでいる。
「条件はいいんだよなぁ・・学校から近いし、時給もいいし・・でもなんか怪しすぎる・・とくにこの但し書きが・・」
場所は喫茶店、恐らくウエイトレスかなにかをやらせられるだろうことはわかる。そしてこの近隣では破格の時給。
「制服があるのはいいとして、それっぽい人って何?」
店の前だということも忘れて腕組みして考え込む女の子。
「考えててもしょうがない。とりあえずきいてみよう。」
カランカラン
「いらっしゃいませぇー」
「(あっ、同い年ぐらいの男の人だ、なんだ大丈夫そうじゃん)」
「あ、あの~、外の張り紙見てきたんですけど、バイト募集してるんですか?」
「あぁ、あれね、そうみたいよ。ごめん、けど、マスターいないんだ、すぐ帰ってくるから少しまっててくれる?」
「あ、いや、どんなかなぁと思って・・。」
「そうなの、どんなって、そうだなぁ、ウエイトレスかな。あぁおれの場合ウエイターだけど。」
「女子、募集してるんですか?」
「うん、そうみたい、バランスがどうのって・・。」
「外には制服着用ってあったんですけど、男の人はないんですか?」
「ん?制服?着てるけど・・」
「あっ、ごめんなさい、それがそうだったんですね、学校の制服っぽかったんで、つい。」
「学生服だよ。」
「えっ?」
「あぁ、まぎらわしいよね、制服って学校の制服そのままってことなんだ。基本学生服の上にエプロンかな。マスターの方針でね。」
「あ、あぁ、そうなんですね。」
引きつった笑顔を見せる女の子。
「(ど、どうしよう、なんかやっぱり怪しくない?女子で制服求むって・・)」
「どうしたの?」
「あ、いやぁ、その、バイト辞められるんですか?」
「俺が?何で?」
「あ、募集、してたし、女子希望みたいだし・・。」
いきなりな質問をぶつけすぎて、なんとなくしどろもどろになる女の子。
「俺は辞めないよ。マスターはもう少し人欲しいみたい。俺が男だからバランス的に女の子が欲しいみたいだけど、別にそこはこだわってないみたい。なんか女子だけの募集ってできないみたいだし。」
「あぁ、そうなんですね。よかった。」
ほっとして思わず本音が出る。
「あぁ、あの張り紙心配だった?俺も言ったんだよなぁ、あれじゃ怪しすぎて警戒されますよって。」
「そ、そうなんです。条件いいし、やりたかったんだけど、なんか変なことかいてあって。」
「だよなぁ。」
「でも、女の子はわかるんですけど、それっぽい人ってなんですか?」
「さぁ?俺もよくわかんない。」
カランカラン
「いらっしゃ、あぁ、マスター、バイト希望の子来てますよ。」
「えぇっほんと?」
「あ、あのわたし、バイト希望で、そのお話を聞きに、」
「採用っ!もう全然OK!今からできる?」
「今からですか?!」
「マスターその前にいろいろ説明してあげないと。表の張り紙で悩んでたらしいですよ。」
「あぁ、ごめんねぇ、あれわかりにくかった?」
「あ、いえ、制服って学校の制服だったんですね、今聞きました。」
「そうそう、学校の制服、だっていいじゃない、制服にエプロン、なんか青春してるって感じが。学生でバイトって青春じゃない?」
「あぁ、はい、そうですね・・。」
ちょっと困り気味にあわせる女の子。
「裕信君もそう思うでしょ?エプロンに短い制服のスカート、もえるんじゃない?」
「もえません。」
「あれ、そう?でも、男の子のワイシャツにネクタイ姿でエプロンももちろん好きだから大丈夫。」
「(なにがだいじょうぶなの・・?)」
「まぁ、とにかくそんなだから学校帰りに制服のまま来てやってくれればOKだから、あぁ一応履歴書だけは適当に書いて持ってきてね。」
「あぁ、はい。」
「じゃあ、決まりね、よろしく。えーと、」
「あ、えっと、朝霧です。」
「朝霧・・何さん?」
「みなもです。」
「みなもさんね。よろしく。私は相模悠一郎、一応マスターね。彼は山上裕信君。近くの男子校の1年生よ。」
「よろしく。」
「よ、よろしくおねがいします・・。」
つづく。