手術を受ける決心をするまでの経過

 

 8年ほど前から左右の手に常に2~4本のバネ指が出現。よくなってはまた別の指にバネ指が出るをくりかえしていました。

 握力が弱って、家事も十分には出来ませんでしたが、根本的な治療はないと思っていました。

 ところが4か月前から両手の人差し指、中指、薬指と、手の平側全体にしびれが出現。

つねにジンジンとした痺れと手を曲げるとビビット電気がはしり、特にトイレが苦痛になりました。左手はグーができなくなり、右手の人差し指が伸びたまま曲がらなくなりました。

 そのうち朝がた3時~4時ころになると腕に強い痛みと痺れが出て「痛い痛い」と声が出るほどになりました。夜中に何回も痛みで目が覚めました。本当に辛かった。

 その頃になると握力が極端に弱くなり、重いものを落として足の指をつぶしたり、

手に持った小さな鍋もするりと落とし火傷をしたりと限界でした。

 ネットで調べると手根管症候群という病気だとわかりました。

それでも手術が怖くて躊躇していました。

 たまたまTVで実に50年以上も私と同じ症状で苦しんでいた女性が簡単なの手術で軽快したのが放映され、勇気を出して整形外科を受診。その日のうちに手術の日まできまりました。

 (金曜日限定で希望したため、1ケ月後になりました)

 

手術を受けるまでの1ケ月の間悩んだこと

 

・局所麻酔ではなく全身麻酔であったこと、2泊3日の入院が必要なこと。

・両手同時に手術すること。

・退院後抜糸するまでどの程度の家事ができるのか?

・手術後どの程度症状が回復するのか?

・費用はどのくらい掛かるのか?

 

入院前に用意したほうがいいもの

 

・包帯の代わりに使う木綿の手袋(100均で売っています)。指の部分はあらかじめ切っておく

1日に何回も手を洗うので、その度包帯を外したり巻いたりが大変です。

手袋だとスッと着脱でき、手の甲もあらえる。この手袋は手首に締め付け感があったので入口部分を2か所カットしました。

  

切り取った指の部分は指の包帯として使えるので取っておく。

ネット包帯もいいが汚れが浸透して行くのであまりおすすめできない。

 

・ゴム手袋(肘の上までの長さで入口にゴムが付いているものがいい)

 これはシャワーや洗髪の時安心できる。もちろん家族などに洗ってもらえる人はビニール袋をテープで閉るでOKです。ただし、テープは水に濡れるとたちまち粘着力を失い水が浸入するので慎重に!

100均でも売っています。

・洗顔は薄手の普段使っているゴム手袋でOKです。

・上靴 

スリッパは転倒にも繋がるのでNG。紐付きではなく簡単に履けるもの。

(痛み止めの性か立つとふらつきます。)

・タオルケットやバスタオルなど持ち込みを禁じられている病院もあるので聞いておく。

・爪ブラシ

どうしても手洗いが十分にできないので、いちばん汚れる指先は爪ブラシを使うことをお勧めします。

・お弁当の手配

料理はかなり手に負担をかけるし、洗い物がたくさん出るので私は宅配のお弁当を利用しました。朝と昼は何とかなるので夕飯のおかずのみのコースを4日間手配しました。

「農家の息子」というお弁当屋さんが評判よかったのでチョイスしました。

安価で品数も多く、味も薄味でとてもよかったです。

・イヤホン

テレビやラジオはイヤホン使用のためです。

 

入院前の検査

・肺のX線検査・血液検査・心電図検査・頸のMRI検査・麻酔医と頸部専門医の診察・看護師による問診などで費用は1万円以上かかります。

かなり長時間かかり疲労困憊しました。

 

入院当日
午後3時30分からの手術でしたが午前9時30分の入院指示でした。

食事は朝から絶食。水は午前9時までなので、手術までかなり喉がかわきます。

入院後院内の設備案内、血管の確保後抗生剤の点滴、術前に胃薬の服用、この時のほんの少しの水のありがたかったこと。

 

手術までにしておくこと

・水を自販機で何本か買い、蓋を開けて冷蔵庫に入れておく

・TV用のカードにチャージしておく。カードに1000円のチャージをして退院時精算する。

・日常服用している薬を包装から出しておく

・TVにイヤホンをセットしておく

などを暫く手が使えないので使えるうちに準備しておく

あとはひたすらベットの上です。

手術室へは20分ほど前に自分のベットで移送されました。

手術台に移されてからはもう目をつぶって何も見ていません。

 酸素マスクをつけられクロロホルムをかがされると、すぐ意識がなくなりました。

はっきり覚醒した時は自分の病室でした。手術は片手15分でしたので1時間後には病室にもどっていました。

 間もなく座ることも、歩くこともでき、おならもでましたので、夕食も普通食を同室の皆さんと同じ時間帯にいただきました。

箸は持てず、スプーンで頂きました。持参したマグカップが持てずこまっていたら、蓋にストローが刺せるタイプのカップを貸してくださいました。柔らかい蓋なので容易に開けて自分で洗う事ができ、落下細菌も入らず清潔なので、入院中お借りしました。

傷に痛みがあり座薬の痛み止めを入れてもらいました。痛みは間もなく消えました。

午後8時ころ点滴は終了しましたが、針は抜かず翌日も使えるよう処理してくれました。

就寝まえに、痛み止めを持って来てくれたので、さほど痛くはなかったのですが飲みました。

 そのあとは今まで体験したことのないような深いねむりで、朝6時看護師さんが検温と採血にみえるまで爆睡しました。とても気分がよく手術をして本当によかったと思いました。

 

手術翌日

・顔を洗えないので暖かいおしぼりをもってきてくれました。退院まで顔はおしぼりで拭くだけなので持参した洗面器は不要でした。

・ 抗生剤の点滴をして、終わったころ、ガーゼ交換をしました。俳優さん並みのイケメン先生で心がいやされました。抜糸は術後10日目で、今日以降ガーゼ交換はしないとのことでした。傷は本当に短くキレイなので驚きました。細いドレーンが1本入っていましたがこの時点でぬきました。

             

              手術翌日ガーゼ交換前の様子

       ドレーンの効果で血液や滲出液がよく排泄されている

 

    術後5日目の傷 本当に小さくて、きれいです。手首にあったコブが消えました。この写真の腫れもさらにきれいになっていきます。

・退院まで保冷剤で傷を冷やし続けててくれましたが、とても気持ち良かったです。

・午後からシャワーと洗髪を計画していてくれましたが辞退しました。明日、自宅でゆっくりしたかったからです。

・退院後の説明

家でのシャワーと洗髪のしかた。

ガーゼが濡れた時のガーゼ交換キッドのつかいかた。

消炎鎮痛剤と胃薬は1週間分渡されました。

家事は無理をせず、傷をぬらさないように。

 

退院日

・10時までに退院してくださいといわれていたのであわただしかった。

・朝食をいただいて、TVカードの清算、忘れ物のないよう荷物を詰めて9時30分に退院した。

・入院費は日曜日で支払いが出来ず、次回受診時にといわれた。金額は後日電話で連絡してくれた。(両手の手術と2泊3日の入院で48239円だった)

退院から抜糸日まで

・心配だった傷の痛みは鎮痛消炎剤をのんでいるせいか、ごく軽度で、反対にすべての指からバネ指が消えた喜びがまさり、気分は最高でした。退院後も保冷剤で冷やした事が功を奏したのかもしれません。

・体調はすこぶる良い状態で経過しました。買い物や散歩なども出来て順調でした。

・基本、軽めの家事はなんでもできた。(ご飯を炊いたり、お茶を入れたり、洗濯、掃除等)

 お弁当を手配したのは正解でしたが、お味噌汁やスープ、ポテトサラダ、ウドのぬたなど、どうしても食べたいと思った簡単な料理は作れたし、あとかたずけもできました。

したがって両手を1度に手術してもなんの問題もなっかった。

・全身麻酔で心配したこと(頭痛が続く、喉が痛む、声がかすれるなど)は全くでなかった。

 

・術前に比べて改善されたこと(術後6日目現在で

①長年苦しんだバネ指から解放された。

②しびれる範囲が激減した。

 両手の中指と薬指のみ痺れがあるものの、手の平と、夜中の腕の強烈なしびれが消失し良眠が得られるようになった。

③グーができなかった左手が出来るようになった。

④指を伸ばした時なぜか小指だけが離れたのに、すべての指がくっついた。

④字を書くとき筆圧をかけらるので上手に書けるようになった。(ハンコが押せるようになった)

⑤床に落ちた小銭や小さなごみを拾えるようになった。

⑥曲がらなかった右手の人差し指が十分でないものの曲がるようになり、小銭を財布から出すとき落とすことがなくなった。以前はレジのかたに出して頂いたりしていた。

 

・手術後も残った症状

①親指の先と他の指の先を付けられない指が左手に2本ある。(薬指と小指)

②両手の中指と薬指に痺れが残った。

③左手のグーが十分に握れない。

 このような残った障害も半年から1年くらいで良くなるらしいです。

 

  自宅でのがーぜ交換用キッド(退院日に2回分渡された)

         まず消毒液で消毒

 

     ガーゼで押さえ余分な消毒液を吸い取る

           がーぜを貼る

ガーゼ交換はとても簡単です。水に濡れたときなど気軽にしてください。

 

抜糸

 

片方5針、両方で10針、特に痛みを伴うでもなくあっという間に終わりました。

医師から受けた説明

・もう手を洗ってもいい

・2か月ほどは強く手をつく、重いもを持つなどをしないよう気を付ける。

・傷の保護(ガーゼなど)は不要

・なにかない限りもう病院受診は不要

・今残っている症状は時間とともによくなる

その間5分ほどで終わりました。あんなに長い間苦しみ、悩んだすべてが、終わってしまえばあっけないほど簡単に解決しました。

もし、私のような症状で苦しんでいる方はまず病院を受診することをお勧めします。

全身麻酔を必要とする手術である以上すこしでも若いほうがいいと思いますので。

ただし、医師の選択は慎重に。

抜糸翌日

朝入浴した。久しぶりに浴槽にゆったり浸かり髪もあらいました。

傷の様子です。なんという綺麗さ!アラ、手相がかわりました。

親指の下の筋肉が極端にやせています。指でおすと筋肉を感じられません。ずっとグーが出来なかったので、殆ど左手は使うことが出来ず筋肉がおちたんですね。以前はぷっくりともりあがっていました

リハビリとして、親指の付け根と小指の付け根をできるだけ近づける運動を20回ほど、朝夕1かいずつ実施。家事など指を使う作業を積極的にすることだそうです。

今まであきらめていた、ゴボウのきんぴらをつくりました。

両手を使い硬いゴボウがきれました。(左手で猫の手ができなかったので、硬い野菜は切ることができなかった)

ずっとできなかった、編み込みをしてみました。指が使える喜びを実感しました。

明日は「カーブス」に行こうと思います。2週間安静にしていると、こんなに筋肉が落ちるのかと悲しくなります。筋トレは意識的に実施するというのが私のポリシーです。筋肉は落ちるのがはやいですが筋トレで回復します。

 

抜糸後2日目

カーブスという筋トレジムに行ってきました。手でバーを握るマシーンも難なくできて感動しました。何より久しぶりにトレーナーさんやメンバーさんとおしゃべりが出来たことで気分がはれました。

抜糸後、傷に突っ張り感がありましたが殆どなくなりました。

抜糸3日目

今後のリハビリ(あくまで参考としてください)

・親指の付け根と小指の付け根をできるだけ近づけるを20回、朝夕2回

・手首のストレッチまず軽く7秒次に少し強めに7秒、片方5回づつ。

指のストレッチは気が向いたら7秒くらいを1日に数回。

手術前は強い痺れがでて出来なかったことが簡単にできるようになった。

 

大誤算

 

術後2週間で孫の運動会がありました。

私は2週間もたっているので何でも出来るとたかをくくっていました。

前日の席とり、翌日のお弁当の下準備でこれほど体が消耗するとは想像できませんでした。

買い物から帰ってきてから、あれも買い忘れ、これも買い忘れとパニック状態でした。

つまり疲れのせいで頭がまわらないし、体も動かないのです。

これほどの疲労感を今まで経験したことはありません。

お伝えしたいことは、何か大きなイベントがあるときはそれを考慮して手術日を決めるべきであったと言うことです。いかに簡単な手術でも体には負担がかかっていたのですね。

幸い雨天のため翌週に延期になりましたので、今度は無理をせずお弁当を予約しました。大丸(デパートではありません)という仕出し屋のさつき弁当(1000円)がおすすめです。5個以上で当日校門前まで宅配してくれますし、仮に運動会が中止になってもAM6時までならキャンセルもできます。ちなみに私は、札幌市在住です。

 

術後2週間目の変化

 

・タオルが十分に絞れるようになった。

・残っていた両手の指のしびれがかなり弱くなった。

・曲がりが十分にできなっかた右手の人指し指の痛みが、ぐっとよくなった。

・左手の曲がりづらい薬指あまり改善されていません。

・傷の状態です。

親指の下の筋肉がかなり復活しました。リハビリの

たまものでしょうか?

 

術後1か月の状態

 

傷は完治している

親指の下の筋肉がかなり回復している

左手の薬指と小指が十分に握れない

右手の人差し指が十分に握れない

痺れはほどんど消失した。(左薬指の指先に若干残っている)

日常生活には殆ど支障がないまでに快復した。

 

術後2か月の状態

右手は完全に回復した。

左手は薬指のみ十分に曲がらないものの小指は正常に曲がるようになった。

左薬指の指先に若干残っていた痺れは消失したが、感覚の鈍麻がある。

今後の目標は両手の握力の増強です。またパークゴルフなのどのスポーツがしたいので。

欲張りかな?

術後3か月状態

ずっと続いていた指先の感覚鈍麻はなくなりました。

左手薬指は少し改善しましたがしましたが、曲がりは十分ではありません。

見た目は術後2か月の写真と同様です。

日常生活になんの支障もなくなりました。

 

術後6か月の状態

少しまがりが悪かった左の薬指も十分まがるようになり術後の後遺症は全くなくなりました。

 

近況報告

 

 指のリハビリとボケ防止のため新聞ちぎり絵をはじめました。

まだ2か月めなので完成度はひどいものですが、毎朝新聞のカラ―印刷をきりぬいてストックしています。

作業をはじめると、2~3時間はあっという間なので、間食をしなくなったり、頻尿防止にも効果があります。

 最近の作品をアップします。

あの酷かった指がここまで回復したんです。