もうね、狩り場に入ってきた瞬間からわ~、何あれ!て感じであおっぴは釘づけでした。
なんと美しい・・・
居ても立ってもいられなくて声をかけに行きます。
お写真い~ですか~?
「これですか?R27、て言って1964年のバイクです。」
1964年、て・・・
え!( ̄□ ̄;)!!
50年前のバイク・・・!
あんまり素敵だったので、写真てんこ盛りになりますw
「2010年に日本に入ってきたものです。今年の3月にネットで見つけて買いました。」
ネットで・・・
あの・・・お値段、て・・・?
「軽自動車1台分ぐらいでしたw」
50年でどのぐらい走っているんですか?
「メーター上では2000マイルになってますけどね、距離不明です。」
乗り味はどんな感じなんですか?
「直進安定性は凄く良くて、サイドカーをつけても安心して走れます。」
直進安定性重視となると、山道なんかはどうなんですか?
「う~ん、山道はあんまり得意じゃないね。4速までしかないから、ギア比が中々合わないです。」
ギア比が合わない・・・?
「トルクバンドに乗せれば楽しいんですけど、美味しいところが中々見つからない、て感じですか。」
このシート、独特ですね~。
「サドルシートです。」
サドルシート・・・?なんだか自転車みたいです。
「フワフワして乗り心地いいですよw」
「単気筒だし、振動は凄いですね。」
やっぱり手が痺れる感じですか?
「ラバーマウントだから、案外ハンドルまでは振動来ないんですよ。」
実はオーナーさん、VFR400と2台体制。
「若い頃からずっとレーサーレプリカばっかり乗ってきました。」
また極端に違うバイクを購入しましたね?
「これ、学生の頃から憧れたバイクだったんですよね。」
乗り方もガラッと変わるんでしょうね。
「そうですね、VFRの時は一生懸命走ります。けど、これの時はユッタリです。」
突っ走る感じはないですよね・・・
「高速も100キロぐらいまでなら快適に走れますけどね。ユッタリした道を走るのに向いています。」
メンテナンスはどうしてますか?
「手入れは馴染みの店で頼んでます。構造が単純だから、ある程度は自分でできますが。」
部品はありますか?
「部品は今でもほとんどが手に入りますよ。」
そこがBMWの凄い所だ・・・
「この車体はほとんどオリジナル部品でノーマルに近い状態なんです。」
50年前の姿そのまま、てことですね。
「そうですね、当時の仕様そのまんまです。」
それでこその価値があったんでしょうね。
「バイク歴ですか?もう30年になるかなあ。」
30年選手。
「若い頃は暇さえあれば峠走ってた世代ですよw」
でも現役でVFRも・・・
「最近は腰が辛くて・・・腰が曲がっちゃったら楽になるのかな、なんて思いますねw」
「色々なバイクに乗ってきました。」
30年ですものね。
でもずっとレプリカだったのに・・・?
「これは上りの1台ですね。最後はこれとカブかなんか持っていれば十分かな。」
30年・・・
レプリカで峠を突っ走ってきたオーナーさんの上がりの1台がこれだと言う。
「バイク人生の最後まで乗っていたい1台です。」
そうおっしゃっていた言葉がとても印象的でした。
帰路、山の下りで後ろから追いつくとスマートに道を譲って下さいました。
VFRだったらしないのかな、とw
疾走していたバイクライフから一転、ユッタリ走りたいと思わせてくれる価値ある1台。
50年の歴史を刻んだその美しい車体には、他を圧倒する威厳がありました。
まだ上りを口にするお歳には見えなかったオーナーさんですが・・・
この先何十年か・・・
バイクを降りるその日までユッタリ走り続けて行って欲しいですね。