春馬さんの作品の中で、いちばん観たかった作品です。2021年に映画館で観ることができました。

 原作の河合雅雄さん、監督、共演者、マネージャーにも恵まれ、大自然の中、少年期の春馬さんに欠かせない環境の中で生まれた作品です。

 春馬さんの主演映画のスタートとして、おめでとうという気もちで観ることができます。

 ここから始まり、おとなになった春馬さんが、坪川拓史監督のような、後世に残る映像美と音楽に満ちあふれる作品に出演できていたなら、海外で高く評価される坪川さんの映画と共に、春馬さんの希望が叶っていたのです。

 市川雷蔵、原節子、三浦春馬と、日本を代表する俳優の夢を叶えることのできなかった映画界と日本社会が、無念です。

 市川雷蔵が自分の劇団を持ち、稽古に入っていた作品を、観たかったです。

 原節子が、あれほど日本映画界に貢献しながら、演じたかった細川ガラシャの映画を、誰一人作ろうとしなかった。

 三浦春馬が自由を求め、その才能を、人間の“光”として生かそうと鍛練を重ね、これからの三十代、あらゆる困難を無化して、不死鳥のように飛び立とうとしていた。

 自由に羽ばたくことを、応援したかった。

 映画「森の学校」は、こうした可能性の源にある、唯一無二の作品です。多くの方々にご覧いただきたい。