来月、坪川さんの映画「ハーメルン」を観る。

今年は、坪川さんの全4作品が各地で公開される。まだ観たことがないので、嬉しい。

 映画「ハーメルン」の舞台は、実際の木造校舎だ。解体されることになっていた福島県昭和村の旧喰丸小学校は、映画制作後に改修されて、観光の拠点となっている。

 坪川さんのどの作品も、予告を観るだけで、映像美と音楽が優れているのが分かる。

 映画「ハーメルン」では、樹齢約350年もの天然秋田杉で建った仁鮒(にぶな)小学校の卒業生である、成田為三の作曲した「浜辺の歌」が流れる。

 前半のストーリーが、チラシに書かれている。元校長は、廃校になった学校に住んでいる。そこに、博物館の調査員が訪れる。

 木造校舎とまわりの樹木が一体で、季節折々、息を飲む美しさだ。

 この青年の役を、春馬さんにやってほしかった。春馬さんを十全に生かせる監督だ。共演の俳優たちも実力者ばかり。

 坪川さんの映画は海外での評価が高く、数々の映画賞を受賞している。

 春馬さんが生きるしごとを選べる事務所であったら、と思う。あまりにも、しごとに恵まれなさすぎた。

 春馬さんが求めた自由が、あった。

 本来、春馬さんが生きるべき、仕事場があったのだ。