今年、テレビ朝日50周年記念番組「ブラック ジャック」が放映されるという。


 脚本は、国営放送“直虎”の脚本を書いた森下佳子さん。主演は、高橋一生さん。


 春馬さんは、以前から、医者や弁護士の役をやってみたいと語っていた。


 「ブラック ジャック」は、漫画家の手塚治虫さんの作品。私は若い頃に手塚作品を好んで読んできて、このシリーズのファンだ。


 主人公のブラックジャックは、医師免許を取り上げられたままの医者だ。少年の頃に、もはや助かるみこみのない大事故に巻き込まれたが、天才外科医により、いのちを救われた。


 今、共に暮らすピノコもまた、天才外科医となったブラックジャックに救われた女性だ。実際は18歳なのだが、再生されたからだは子どものまま。人間として生きる悲しさとユーモアと救いが、音楽のように流れてくる作品だ。


 人間が本来持つユーモアや、相手を信じるこころを描く時、ピノコは子どもでなければならないのだろう。


 こんなに春馬さんにふさわしい役はないと思う。きっと、代表作のひとつになるだろう。


 シリーズ化され、ゲストには、春馬さんと共演した少年少女も出るだろう。


 映画「森の学校」で、少年の春馬さんの父親役を演じた篠田三郎さんが、春馬さんは、元気だが憂いのある少年だったと話していらしたのをネットで拝見した。


 春馬さんの人生のすべてが、このブラックジャックの役に生かされる。


 春馬さんのほれぼれする声と、憂いと、いのちに対する慈しみと、ピノコとの暮らしによって、いつか、春馬さんの満面の笑みが、ブラックジャックを救うに違いないという確信がある。


 それは、春馬さんが救われることでもある。


 ブラックジャックは、舞台にもなるだろう。

 原作が世界中の人たちに知られているから、世界各地で春馬さんは、演じるだろう。


 市川雷蔵や原節子のような、優れた俳優を生かすことのできなかった日本の貧しい芸能界に別れを告げ、ブラックジャックのように、世界中の人たちに求められる存在になるのだ。


 春馬さんこそ、ブラックジャックにふさわしい。