Let's become a family! 67 | ギイタクと時々クロネコ

ギイタクと時々クロネコ

大好きなギイタクを勝手に妄想しています。
話は全て、原作設定とは関係のないパラレルです。
お気を召さない方はご遠慮ください。

泉の視線が気になったけど、これ以上望未を待たせるわけにもいかないので、授乳を始めた。
泉はぼくらの前に座り、望未がおっぱいを飲んでいる様子をじっと見ている。
その視線にいやらしさはなく、ぼくもだんだん気にならなくなってきた。

「可愛いね」
「うん」
「僕って、この美貌だろ?」
「・・・あ、うん」
急に、どうしたんだろう。
「親がオメガじゃないかって疑って、小さい頃検査受けたらしいんだけど、オメガじゃなかったんだ」
「ふ~ん」
泉くらい可愛かったらうなずける。
オメガは幼少の頃から容姿端麗な子が多いって言うしね。
もちろん、ぼくみたいに例外もあるけど。
「その話を聞いた時は、自分がオメガじゃなくて良かったって思ったんだ」
「うん・・・」
オメガは、アルファやベータよりも下に見られることが多い。
発情期に狙われたり、夜の仕事を無理矢理させられたり、性被害が絶えない。
だからオメガであること隠そうとする者が大半だとか。
「でも、好きな人の子供が産めるなんていいよね」
「ありがとう。そう言ってもらえると、嬉しいよ」
「さっきは生意気とか言って、ごめんね。・・・葉山が羨ましくて」
「気にしてないよ」
泉と吉沢もオメガとアルファなら、番になって堂々と結婚もできる。
ぼくたちみたいに子供だって・・・。
好きな人との間に子供が欲しいって思うのは、男だって同じだよね。

結局泉は、授乳が終わるまで30分近くずっと付き合ってくれた。
「わぁ、本当に、げぇってゲップするんだ」
「これをさせないと、せっかく飲んだ母乳をもどしちゃったりするんだ。・・・高林くん、抱っこしてみる?」
「いいの?」
クリクリの目がさらに大きくなって輝いた。
差し出された手に望未を乗せると、おっかなびっくり抱く手はぎこちない。
それでも望未は泉に向かって手を伸ばして嬉しそう。
綺麗な顔に弱いのは、ぼくに似たみたいだ。
「結構重たいんだ。柔らかし、ミルクの匂いがする。ねぇ、吉沢にも抱かせてやってもいい?」
「もちろん、いいよ」
お腹一杯になったから、しばらく機嫌が良いだろうし、なにより代わる代わるイケメンに抱っこされたら、望未も喜びそう。