Let's become a family! 6 | ギイタクと時々クロネコ

ギイタクと時々クロネコ

大好きなギイタクを勝手に妄想しています。
話は全て、原作設定とは関係のないパラレルです。
お気を召さない方はご遠慮ください。

覚悟を決めて臨んだ週末。
出掛けようというギイの誘いはやんわりと断って、家でゆっくりしたいと言ったら、分かったと微笑んでくれた。
どうかこの微笑みが消えませんように、と強く願わずにはいられない。

コーヒーを淹れて、ソファに座るギイに差し出す。
ぼくたちのお気に入りは相変わらずライオン印のバニラマカダミア、メルヘンな香りが部屋を包んで、この香りに少しだけ心が落ちついた。
「今日は、ギイに聞いてもらいたいことがあるんだ」
「ああ・・・」
ぼくの緊張が伝わったのか、ギイも真面目な顔になり、コーヒーを脇に置いてぼくに向き直る。
心を決めたはずなのに、ギイを前にするとどう切り出していいのか分からない。
「あの・・・、ギイ、・・・子供は、好き?」
「は?・・・まぁ、人並みには」
「子供、ほしいと思う?」
「おい、託生。一体何の話をしているんだ?」
駄目だ、いくらギイが勘が良くても、これでは遠回しすぎる。
「ぼく、ギイの子供がほしいんだ!」
思い切って言ってしまった。
「託生、それは・・・」
ギイの顔色が変わる。
やっぱり、子供は駄目?
「もしかして、養子をとりたいのか?」
「え?いや、そうじゃなくて。ちゃんと血のつながったギイの子供がほしいんだよ」
ギイの顔に今度は怒りの色が帯びる。
なんで?
「託生は、オレに外で子供を作ってこいって言うのか?そんなことできるわけないだろう!」
「違う!違うよ!・・・産むのは、ぼく。・・・ぼく、ギイの子供を、産みたいんだ」
「託生、何言って・・・?」
そうだよね。
まずはぼくがオメガだってことから説明しないと分からないよね。
「ごめん。ちゃんと順を追って話すから、最後まで聞いて」
一つ大きく深呼吸をして、ギイを見つめる。
ぼくの大好きな茶色の瞳には困惑の色が浮かんでいる。
ドキドキと自分の心臓の音が、ギイにまで聞こえるんじゃないかってくらいうるさい。
もう一度大きく息を吐いてから、話を切り出した。
「ギイ、ぼくは、オメガなんだ」
驚きに見開かれる瞳。
そこには喜びも戸惑いもまだ見られない。
「祠堂を卒業する直前に、・・・その、急に、発情期が始まって・・・、それで自分がオメガだって分かったんだ」
それから、母が素早く対処してくれたこと、両親はずっと前からぼくがオメガだと知っていたこと、今まで薬を飲んでいたこと、隠していた全てをギイに話した。
ギイは神妙な面持ちで黙ったまま、ぼくの話を最後まで聞いてくれた。