みい坊が1歳後半から2歳前半くらいの頃、
それはそれは壮絶なイヤイヤ期を過ごした。
未熟児で生まれ、ちっこいくせして声だけは誰よりもデカく、
一度イヤイヤのスイッチが入ると、絶叫に次ぐ絶叫で、
どうにもこうにも手がつけられなかった。
本当にみい坊は声がデカかった。
当時は小食で、ミルクもたいして飲まないしご飯もたいして食べなかったのに、
どこからそんな声が出るのかと思うほど、
声がデカかった。
電車の中で、絶叫&号泣し、乗り合わせたおじさんにうるさいと舌打ちされたこともあったし、
バスの中で同じような状況になった時、
運転手にマイクで怒られたこともあった。
(他のお客様のご迷惑ですのでお静かに、というアナウンスをされた)
抱きかかえようとすると、全力のエビ反りで抵抗し、その場から連れ出すこともできなかったり、
うっかり抱きかかえてもハトヤの魚みたいに暴れてどうにもならなくなることもあった。
静かにさせられるもんならとっくに静かにさせたいし、
あれもイヤこれもイヤで本当にお手上げで、
私は毎回泣きたかった。
ところが、
言葉をだいぶ話せるようになってきたら、
嘘のように、イヤイヤ期は終焉を迎えた。
2歳半以降は、
どこに連れて行っても全く手のかからない、
落ち着いた、とても聞き分けのいい子になった。
今日、夫が休みだったのでとあるお店にランチに行った。
我々のテーブルの隣の隣に、
2歳代くらいの女の子とママ、ママのお友だちとおぼしき女性2人、の、4人組が座っていた。
2歳くらいの女の子は、初めはおとなしく食べていたのだが、飽きてしまったのか、グズグズ言い出した。
ママがあれこれと声をかけているがグズグズは増すばかり。
しばらくすると、本格的に泣き始めてしまった。
私や夫に言わせりゃ、その女の子の泣き声なんか、全盛期のみい坊に比べたら屁でもない。
せいぜい、店内に泣き声が響いてるなぁ、と思うくらいだった。
(みい坊なんか、建物が揺れるほど、と言っても過言ではないレベルだった)
私は、ママさんの心情お察しします、
と、好意的に見ていたのだが、
我々の隣に座っていたご婦人2人組が、
あからさまに嫌悪感丸出しの顔をして、文句を言い出した。
いろいろ言っていて私はかなりムカついてしまい、
黙れババア
と言いたい気持ちをぐっと堪えて、
2人のババアの顔をまじまじと見てやった。
本当は、
そんな言い方ないんじゃないですか
とか、
もっとあたたかい目で見られませんか
とか言いたかったけれど、
小心者なので言えなかった。
そうこうしているうちにババアどもが、
やぁねぇ~
最近の子は我慢ができないのよねぇ~
と言いやがったのでますますムカついた。
私は、
懐かしいね~あの感じ。みいちゃんも小さい頃あんな感じだったよね~。
と、ババアどもに聞こえるように、夫に言った。
ひとりのババアが瞬時に私の顔をハッと見た。
何を思ったか何も思わなかったかわからないが、
なんとなく、言わずにはいられなかった。
女の子と同席していた、ママさんのお友だちらしき女性2人は、
女の子が泣いている間、
女の子を特別あやしたりはせずに、
2人で会話をしていた。
そのことについても、
ババアどもはゴチャゴチャ言っていた。
あの状況で2人だけで話してるなんて変な人たちねぇ~母親も子どももみんな変ね~
と言った。
確かに、目の前で女の子がグズグズ泣いていたら、ママさんと一緒になってあやしたり、声を掛けたりするのが自然のような気もする。
だが、
私たちは彼女たちのことを何も知らないのだから、
滅多なことは口に出すべきではないと思う。
せめてお店を出てから言うとか、聞こえないように言うとか、そういう配慮は大事だと思う。
もしかしたら、ママの友だちだからこそ女の子のことをよくわかっていて、
グズグズになった時に、まわりが声を掛けたら余計グズグズ言うようになるから、あえて知らんぷりをしているのかも知れない。
みい坊も、イヤイヤのスイッチオンの時に下手に外野がゴチャゴチャ言うと火に油だったので、
もしかしたらそうなのかも知れないと思った。
もちろん、
そうじゃなくて、ただの無関心の人たちなのかも知れないが、
結局のところ、
彼女たちのことを何も知らない私たちには、
わからないことなのだ。
自分が見たほんの一部分だけを切り取って、
あーだこーだ言うのはやめようぜ、
と思った。
大切なのは、想像力。
みんなが、ほんの少しの想像力を働かせて、もっと寛容になれたら、
ギスギスした世の中ちょっとはマシになる気がする。
