窮地、いえ旧知の作家さんから連絡あり。

お仕事があるという。
もちろん、よっしゃあああというわけで出向く。

ふたりでお話かと思ったら女性が同席。
それはそれでよし。

「いま、ビジネスしてるんだ」

「パートナーなんだ。興味なければいいから」

あい。

女性はクリアファイルを取り出した。
うむ、いい予感はせんかったが。

ま、平たく言えばネットワーク。
久しぶりに出たワークでございました。

「いままでやったことあります?」

や。誘われたことはあるけど。
やったことはありませんよおお。

過去、バンドのデモテープを持ってこい。
すごいマネージャーがいるから。
バンドのメンバー引き連れて出向く。
場所は忘れもしない、きったねええ三茶の喫茶店。

羽毛ふとんだった。

すごいマネージャーはウソか本当かしらないが、
井上陽水さんの担当だったという。
だが、芸能人の名前を出されても、

「すごいですねえ~井上陽水のような羽毛ふとんなんてえ.
満月に狂った老婆が笑うんですかああ? ステキ」

などと言うわけもなく。

マネージャーというひとは
「僕は世界いち。いやあ、宇宙いちのマネージャーを目指しているんです」
とか言うてたぜ。
ゼットンとかカネゴンプロデュースするんかいっ。
でききればダダABC、ミクラスもよろしくぅ。
てなもんで帰ってきた。

その夜、デモテープもってこいといったヤツに
電話して「あんた騙したでしょう」攻撃。
全然話にならなかったが、最後にヤツは「ごめん」と言ったがねええ。
横で、同棲女がヒステリックに

「あなたのためを思って言ったんぢゃああないのぉ」

とか叫んでたのも今は昔かなあ。
いいのよ。
ネットワークだって。
わたしが嫌だったのは「デモテープ持ってこい」と言ったこと。
んで、ビジネスの話に戻るが。

「がんばらなくていいから…すべてフォローするから」

らしい。

彼女が持っていたファイルが、
コピーのコピーのコピーのコピーで、いんちき臭くて
分かりづらくて…赤ちゃんのアトピー顔がA4大写しで痛々しくて。
ファイルを開きっぱなし。
赤ちゃんは助かっているようにはみえなかった。
思わず…

「健闘しますが、たぶんこの話はわたしはしないと思う。
けれど、ものを売るための、きちんとしたチラシやパンフレットは
わたし得意ですよ」

返答はぼけすかどーん、「ふたり紹介するだけでいいんです」らしい。


そして「相手を誘うときは、内容言わないほうが…いいと」と。
でもさあ、わたくしの強力な友人たちにウソついて
呼び出したら、血祭りされると思います。




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