近所にバーがある。
左隣はは永住型老人マンション。
そして右隣は寂れたクリーニング屋やら、誰が来るのかと思わせる小さなゴルフショップ、いやゴルフ屋だな。
過去その隣には和菓子やがあったが、現在は店を畳んでいる。
そんなのどかともいえる場所にバーがある。

ここはウイスキーやバーボンが豊富で、ハーレー乗りの夫婦が経営している。
ステーキがメインでほかフィッシュ&チップス、タコスなど、ヴォリュームがあり値段もリーズナブル。

内装は彼らによる完全ハンドメード。
あんと半年もかかったという超大作だ。
自由に曲線を描くバーカウンターは、どこかしらラフ。
高いスツールに座り飲み出すと、落ちちゃいかんという酔いどれ切迫症が酔い酔いにブレーキを掛ける。
このせめぐ感じがいい。
BGMはレーナードスキナード、BBAなど、70年代のアメリカンロック。

このご夫妻(といっても、まだまだ若いが)とは、友だちの友だちの友だちという遠い縁である。
あるとき、旦那のバンドの飲み会で女性が声を掛けて来た。

「あおりちゃんでしょ?」

わたしは頭が悪いので、ひとの顔や名前を覚えない。

「あ、どうも……」

忘れているのが悪い気がして、曖昧にあいさつをした。
聞けば、わたしが16歳の頃スタッフをやっていたバンドを見に来ていたという。
そこそこ会話もしていたみたいだ。
やっぱり思い出せない。
その女性がうちのマンション近くに越して来た。
彼女はコミューンを作る勢いで、自分の友人らを近所に呼び寄せた。
そのなかに件の夫婦もいた。

その女性はいろいろあって引っ越して行きバーが残った。

店名は「MOBYDICK SALOON」

うちの近所にお越しの際は、ぜひ立ち寄っていただきたい。
ねーさんが隣に座った場合、後ろにひっくり返らないように支えるのをお忘れなく!

*画像は「MOBYDICK SALOON」のマスターhiroshiさん。
酒も強いが、料理もうまい。つりはプロ級の腕前。