エキセントリックなひとと縁がある。
飲んでいて友達のSが

「わたしの親類、みなおかしいんですよ」

と言ったところから、それが思い出された。
中ニのとき、長田という男の子がいた。
長田とはロックつながりで、彼はキース・リチャーズの大ファンだった。
当時はそれほど、洋楽好きはおらず、わたしと長田はクラスが違うけど、
意外と深い間柄だったと思う。
よく長電話して、うちの親父に叱られたもんだ。
もうひとり同じクラスに田辺というロックフリークがいて、田辺は長田に

「キース麻薬で終身刑になるらしい……だってミュージックライフに書いて
あったもん」

とか言った。
すると長田はしばらく給食が食べられなくなった。
当時は拒食症なんてぶっそうな病気はなかったので、クラスでも問題になったほどだ。
そんな純粋なヤツだった。
そいつから高校一年のときに電話があった。

「あの頃のこと、覚えてる?」

「うん」

「俺らが話した内容は全部、盗聴されてたんだよ!」

「へっ?」

「しかも学校もすべて盗聴されてたんだ」

わたしは筒井康隆など、うにょうにょしたSF(当時はそんなカテゴリーだったんだよ)好きなので、おっ狙われた学園だっなんて結構面白がった。

「ねぇ、何で分かったの? 事故にあった? 神の啓示のようなもの? それとも日々
ふつふつと湧いてきたの?」

「そんな非科学的なことじゃなあい!」

「じゃ何??」

「鐘聞きな……鐘」

「……」

「除夜の鐘が108つ鳴るとき、すべてが分かるよ」

その後、いろいろと質問すると長田は会えないと説明できないと言った。
わたしは会う気満々だったが、結果会えなかった。

友人Sにその話をすると

「ロマンチックですねぇ。鐘聞きな……の台詞がかっこいい」

と言った。
実はS、氣志團ファン。
わたしの話に「俺んとこ来ないか?ちゃんちゃんちゃんちゃん、ちゃらららら~」
つうメロディが流れていたに違いない。

じぇんじぇん、ロマンテックでも何でもない
長田と連絡が途絶えてすぐ、実家の門前に、見事なとぐろウンコが残されて
いた。
でも今なら、そんな危害、いえ、気概のある男なら、受け入れてやるのになぁ。