ーカナダ移民体験Ⅱー

 

数学の先生とは始業時間前にお会いしました。
数学に関しては、カナダよりも日本の方が授業内容が進んでいるようで、英語のハンディキャップがあっても特に問題はないようです。
まだ文章問題でつまずくことはありますが、「英語さえできるようになれば大丈夫」とのことで、学年が進むにつれてどんどん上級クラスに進むよう勧めてくださいました。

 

ELL(英語学習支援)のクラスは、2人の先生との合同懇談会でした。
一人は厳しい評価をされる先生と伺っていましたが、実際その通りで、簡単にはレベルを上げてくれないようです。
ただ、どんな本を読むと良いか、どんな勉強方法が効果的かなど、丁寧にアドバイスをしてくださいました。

 

宿題は出さない方針とのことで、その理由を尋ねると、
「家でやると家庭教師や親に答えを聞いてしまう可能性があり、それでは宿題で正確な評価ができないから」とのことでした。


ただ、仕事以外のプライベートな時間を取られたくないから宿題を出さないのだ、という噂も聞いたことがあります。

 

メールでは「15分しかお時間が取れません」と言われていましたが、実際にはとても熱心に話を聞いてくださり、最終的には45分も時間を割いてくださいました。

 

 

続いて、選択科目である電気工学の先生にもお会いしました。
メールでのやり取りの時点で好印象を抱いていましたが、実際にお会いしても、その印象通りの先生でした。

 

電気工学は、子どもが自分の意思で選択した科目です。
英語のハンディがどの程度影響するか気になっていましたが、今のところ授業にはしっかりついていけているようです。
先生はすぐに子どものシャイな性格を見抜き、「分からないことがあったら、いつでも質問して。」と声をかけてくださったおかげで、子どもも積極的に質問できているようです。

 

ここはテクニカルスクールや職業訓練校ではなく、公立のセカンダリースクール(普通科)ですが、この教科を修了すれば、卒業後すぐに就職の道が開けるそうです。


もちろん、より専門的に学ぶために大学やテクニカルスクールに進む道もあります。

 

 

先生は非常に親切で教育熱心な方で、私たちの懇談にも1時間以上も時間を割いてくださいました。(これはかなりレアなケースのようです!)


授業内容やテストの成績を丁寧に説明してくださり、私たちの質問にも一つひとつ真摯に答えてくださいました。
電気工学とは関係のない単位のことまで、嫌な顔一つせず対応してくださったのが印象的でした。

 

 

さらにその後、電気工学・メカニック・カーペンターなどの実習施設を特別に案内してくださいました。
まるで専門学校のような充実した設備や機械、広々とした施設に、私たちはただただ感嘆するばかり!


主人はイタリア出身ですので、イタリアの学校を卒業していますが、

「自分がここで学べていたらなあ~!この学校に通っていたらどんなに楽しかっただろうな~!」

と、興奮冷めやらぬ様子で何度も繰り返していました。

 


私もカメラを持っていたら写真を撮りたかったほど素晴らしい環境でしたし、私自身この先生の元で学べたらどんなに楽しかっただろうなと羨ましく思いました。

 

先生方とお話しする中で、少しずつ学校の仕組みが理解できてきました。


日本の学校では、担任の先生としか話す機会がなく、各教科の詳細までは分からないまま卒業することが多いです。


また、懇談の時間も短く、形式的で、表面的な話に終わってしまいがちです。
成績が上がった・下がったといった、成績表を見れば分かるような内容を確認するだけの場になってしまうこともあります。

 

それに比べて今回の懇談会では、効果的な勉強方法、科目の選び方、将来の職業の可能性など、本当に有意義なお話をたくさん聞くことができました。

 

懇談会は義務ではないため、ほとんどの両親はアポを取らないようです。(移民が多いカナダでは、言語の問題などもあり)

でも今回のこの経験を通じ、例え面倒くさいと思っても、先生方と話をした方が色々な情報を得られるのだとつくづく実感しました。


進むべき道が大きく開け、子どもにはいろいろな可能性が広がっているように思います。