私は人に頼むことが大の苦手で、頼むくらいなら自分でやってしまいます。
逆に、夫は人に頼むのが得意ですが、言葉が通じない異国の地では、自分の本領が発揮できません。
人に助けてもらえばもっとスムーズに事が運んだだろうに、いつも回り道ばかりです。
ただ、見えない力によって導かれることは何度もありました。
新規ビジネスを立ち上げても、全くコネがないゼロの状態でスタートしたため、まず営業をかけ、売りこまなければいけません。
パスタは美味しいのだから、知ってもらえば必ず気に入ってもらえると強く信じていた為、
とりあえず、いちかばちかでアポなし突撃訪問をしました。
今思い出すと恥ずかしくなるくらい無謀でしたが、このビジネスに掛けていたため、必死だったのです。
ネットで検索をかけて見つけた、あるイタリア人マネージャーが在籍する東京の一等地にあるレストランに、夫の作った生パスタを持って訪れました。
ランチタイムが終わってひと段落した頃に、追い返されるのを覚悟で、そのマネージャーさんに話を聞いて欲しいと交渉しました。
私達を見たそのイタリア人の方は、なぜか追い返さず、テーブルに座らせてくれ、話を聞いて下さったのです。
そして一通り説明し終わると、持参したパスタを試食したいと言って下さいました。
すると「美味しい!」と言ってもらえ、
今まで使用していたパスタを止めて、その場で夫のパスタを採用してくれることが決定したのです。
しかも他にも支店が数店舗あったため、他のレストランにも、この夫のパスタを推奨してくれると約束してくれました。
その時は口約束でしたが、実際すぐに注文が入ってきています。
仲良くなったそのイタリア人マネージャーのA氏に、後々、なぜあの時追い返さずに、話を聞いてくれたのか聞いたことがあります。
普通なら追い返しただろうけれど、私達夫婦がとても一生懸命で、誠実に感じたからだと言ってました。
今でもあの時の感謝の気持ちは忘れません。
そして義姉と義母はパスタマシーンをプレゼントしてくれました。
大量注文を受けるには必須です。
助けを求めることが苦手ですが、結果的には色々な方に助けてもらっています。