私が好きな本から、心に残った文章を載せます。


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この広い世の中の、しかも何十億という数多い人の中で、

知る間柄になっている人の数というものは、まことに九牛の一毛ただならず、

否、大海の一滴にも等しい、実に僅少なものである。


自分というもののこの世に生存している年限というものは、

たとえ百歳まで生きられるとしても、

久遠永劫の宇宙の生命に比較すれば、

これまた夢一瞬の短さである。



絶対に二生はない。
生まれ変わることはあるかもしれないが、

それはただ観念的に想定した二生なので、現実の二生というものは決してない。



この人の世にある免れ能わぬさまざまな現実というものを考えると、
この世でお互いに知り合う間柄になったということは、
誠に忽諸に伏す事のできない大切な事柄である。


つまり、沢山の数多い人の中から知り合いになったということは、

到底人間の智識の力では究明することのできない、縁という不思議な作用の致すところ。