アパートはすでに解約し、コンテイナーに荷物も運び込み、

飛行機チケットも3人分購入済みの状態で、

移民局からの最終通知を待つ日々を送っていました。

 

格安チケットなので、日にちの変更は出来ません。

カナダへ出発する日も決定していたのに、未だカナダの移民ビザを受け取っていませんでした。
ビザが無ければ当然の事ながらカナダに住めません。


私達は焦っていました。
移民の合否が分からず、ビザがまだ届かないという不安もさる事ながら、
カナダで始まる新しいゼロスタートの生活への不安感も高まっている状態でしたから。


この移民に関して、周りのサポートは一切受けていません。


そしてすでに準備を全て整え、飛行機チケットを買っている状態なのに、

まだ移民許可証を受け取っていないということは、
周りの親族、友人達には一切話していませんでした。


上手く物事が進んでから話したかったからです。



出発日は8月1日です。
どうにも我慢できず、7月27日にローマのカナダ大使館に電話で問い合わせました。

どうやら移民の許可はおり、ビザが取れるのは確実とのこと。
ただし上司の最終サインをもらわなければいけないため、来週の郵送になると言います。

それでは来週の1日の出発に間に合いません。
 

そこで出発の前日の31日に、ローマまで私達がビザを取りに行くと伝えました。


29日の日曜日に、親族、友人達とお別れパーティーを屋外で開き、
30日に上司のサインがもらえたかどうかの確認の電話をカナダ大使館に入れ、アパートを大掃除。

31日にローマへ3人で出かけ、直接ビザを受け取り、
1日にカナダへと向かう飛行機に無事乗りました。


最後の最後まで何が起こるか分からないという、ハプニング続きの出発でした。


反対していた義母も、義姉と一緒に空港まで見送りにきてくれ、私達の旅立ちがうまくいくよう祈ってくれました。

普段、感情を表に出さない強い義母が、涙を溜めた赤い目で私達を見つめ、
ホッペキスをし、強く抱きしめてくれました。

 

義母に抱きしめられたのは、あの時が初めてでした。