イタリアに住んでいた時、辟易したのが泥棒の多さです。
日本から友人が送ってくれた小包も2回以上紛失しました。
小包が届いた日、たまたま小旅行に行っていたのですが、
不在通知を入れておいてくれればいいものを、そのまま郵便受けの外に放って置いたらしいのです。(近所の人の証言で判明。)
次の日には誰かに盗まれてしまっていました。
アパートの半地下にあるCantina(倉庫)にも泥棒に入られました。
鍵が掛けてあるというのにどうやって入るのでしょうか?
盗まれたのはワイン5本と新品のスーツケース一個で、盗まれるほど高価な物など無かったのに。
ある日バス停で並んでいると、後ろにいた男が私にピタッと寄り添ってきました。
嫌な予感がしバスの中に入ってから鞄を見ると、ジッパーが開いています!
幸い用心のために、いつも財布を一番奥の方に入れているため未遂でした。
ところが、その後もその男は、バスの中で私の隣にピタッとくっついてきたのです。
まだ諦めていなかったようで、再び鞄に手を入れようとしてきました。
私もよろけたふりをしてその男の足をわざと踏み、肘で突付いてやりました。
すると相手もやり返してきたため、少しだけ突き合いに。
その後やっと諦めたのか、下車していったのですが、なんと、もう一人仲間の男が離れた所にいたのです。
もう一人は違うバスの出入り口から下車しましたが、ふたりはアイコンタクトを取っていました。
でももっと度肝を抜かれた盗難事件があります。
電車で3日間家族旅行に行った事があるのですが、
帰宅すると、アパートの前に止めておいた車が忽然と消えていたのです。
今までにも、車のカーステレレオ(昔はコレ←です)などは盗まれた事がありましたが、
まさか車ごと盗んでいくとは・・・
今回はさすがに2人で呆然となりました。
ショックのあまり沈んでいると、3日後に警察から電話が入りました。
私達の車が道路に放置されているため、取りに来いと言うのです。
早速向かうと、
確かに車はそこにありました。
が・・・、タイヤが全て抜き取られています。
呆気に取られながら車の中を見てみると、運転席以外のシートがこれまた全部抜き取られていました。
しかもチェンジギア、ライト、バッテリーなどの部品や、ガソリンも全てなくなっていました。
運転席とハンドルだけが残った無惨な車を見て、どれほどショックを受けたか・・・
夫の車はFIATのUNO。
つまりイタリアでは皆が皆乗っている庶民の車であり、決して高級車、外車ではありません。
しかも節約家でケチな夫は、その車を10年以上も乗り古していて、軽く18万キロは超えていました。
エアバッグやカーステレオ(以前に盗まれた為)さえ付いていません。
もっと言えばエアコンでさえ付いていなかったのに!
片づけが大の苦手な夫は、車も綺麗に使っていませんでした。
結婚前に購入した車なので、かなり雑に扱っていたようです。
シートも擦り切れ、汚れもついていたし・・・
よくこんな車をいつまでも乗ってるなぁ・・・と思ったものですが、
まさか、そんな車を狙う輩がいるとは!
驚きと共に、ある意味、脱帽です。