友人のキャロルは、3か月の滞在後、アメリカの大学に戻るためイタリアを去ったため、
これを機に、もっと安い他の語学学校に変えました。
新しい学校の担当の先生方は皆ものすごく個性的でした。
1人は髪を真っ黒に染めたショートへアに、耳に幾つものピアスをつけたパンク系の女性教師。
もう1人は金髪でフェミニンな風貌とは裏腹に、
タバコを斜に構えて吸うような、中性的な雰囲気の女性教師でした。
クラスでのパーティ時、先生達が選曲をした音楽をかけ、皆で踊ったのですが、
かかっていた曲はロックやパンク系の音楽。
なかなかユニークです。
しかも、先生達も生徒と交わり、我を忘れて踊りまくっていました。
こんなにノリのいい先生方に出合ったのは初めて!
こういう雰囲気が苦手な人もいるでしょうが、自由で囚われのない型破りな授業風景が面白くて、私自身は一番楽しめた学校でした。(誤解のないように書きますが、イタリアだからという訳ではなく、こういう自由な雰囲気の学校は珍しいです。)
ある日、授業の終わりに、先生が「今からクラブ(ディスコ)に行く?」と誘ってくれた事がありました。
夜遅く、先生達やクラスメイト達と一緒に出かけたのですが、出発前にバス停に行き、掲げてあったバスの時刻表を念の為チェックし、最終時刻が23時50分と書いてある事をしっかり確認しておきました。
最終バスに乗り遅れたら大変ですから。
このクラブでも、生徒に負けず劣らず、先生方は二人とも踊りまくっていました!(笑)
人生を思いっきり楽しんでいる!という感じです。
帰り際、それぞれ自分のアパートへ帰宅する為解散し、私もバス停に23時30分くらいには到着。
完璧でした。
・・・のはずでした。
この頃にはイタリアのいい加減さにも少し慣れてきていたので、
バスが早く到着しようが、遅く到着しようが、どうとでも対処出来るよう、かなり余裕を持って着くようにしたのです。
しかし、23時50分になっても一向にバスが来る気配がありません。
隣に居て、バスを待っていた見知らぬイタリア人に、
「まだ最終バス来ていないですよね?」と確認すると、
「来ていない。」と言います。
そのうちに、隣に居た人はどこかに去ってしまい、私1人になりました。
00時30分になっても来ません。
もう少し待ってみたのですが、やはり来ません。
そう、つまり結局来なかったのです。
フィレンツェで最終時刻など当てにしてはいけません。
私は歩いてアパートまで帰りました。