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公式塾長のブログ

学習塾特命係

2000年代前半、この手の映画がよく作られた。トラフィック、めぐり逢う時間たち、バベル、マグノリア、ノエル、あるいはラブ・アクチュアリー。異なるストーリーをひとつの映画にまとめて、なんとなくすべてがつながっているという手法をとるもの。群像劇である。中には強引につなげているものもあるが、流行ったとも言えるこの手の映画手法は数多い。ひとつのモジュールの中で離れ離れのストーリーを動かし、結果ひとつのテーマを形づくるモジュールに納めさせる。この手の手法は真新しいように見えて新しくはなく、すでにキャノンボールやマッシュのロバートアルトマン監督作品など古くからある。このクラッシュもそのひとつで見事にアカデミー作品賞を取ったが、監督賞は取っていない。普通、オスカー作品は監督賞とのダブル受賞が一般的だが、このポールハギスは取っていない。なぜか。簡単である。映画に新鮮味がないからである。この映画自体は傑作である。少々、人種差別にこだわり過ぎている感があるが、全体的にうまくまとまっていて、4か5種の異なるストーリーをうまく最後までバランスよく引っ張っている。だから編集は見事である。今回たぶん4回目くらいの視聴だったが、やはり最初に見たときほどの感動や衝撃はなく、淡々と見ていた。あ、弟だったのかとか忘れていたところもあったが、その割にドン・チードルの感情があんなに冷静なのが腑に落ちない。ただどうしても気になるのが「空砲」の件で、あそこをカットするのが速すぎる。なので、2回目あたりまでいわゆる天使のマントは本当に存在する奇跡と思っていた。3回目であの「空砲」の件に気付き、見過ごしていた自分がややバカバカしくなったのだが。コンマ数秒は速すぎる。だが、この映画はファンタジー映画ではない。現実に起こりうる映画である。だから当然天使のマントは存在しない。ただ、存在してほしかったと思う自分もいるのだが。というわけで、この映画ができて20年以上経つ。時は速い。