特捜最前線『母・その愛の標的』 | 公式塾長のブログ

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中村玉緒独壇場の話。ストーリーはいたってシンプルなもの。ただ、大物出演ということもあり、神代課長と船村刑事以外ほぼ出番なし。さらには大俳優岡田英次までが出演と、旦那さん(勝新太郎)の圧力も見えるような回になった。シンプルな展開の中、唯一気になったのは、中村演じる母親の標的が、拉致した男の父親である暴力団組長ではなく、自分の息子を殺した殺し屋だったという点である。あえて組長という大物をターゲットにすることではなく、その子分をターゲットにするという狙いは、やはり中村演じる母親がエリートではなく我々同様一般人であることを示している。国家上層部のエリートならばこの誘拐目的は敵の首領のクビである。敵のドンを抹消して初めて目的は達せられる。しかし、誘拐した相手の親族ではなく、誘拐被害者のほぼ関係のない者を射殺目的の対象にするのは、誘拐した者の全く個人的な怨恨によるもの、つまりは抹消しても何ら社会的に利点がないことを示

す。この母親には暴力団という大物を消す社会的良識はほぼ存在せず、ただ単に自分の息子を殺した者を殺す、個人的な達成感が必要だったのである。それが我々凡人の普段持っている最もな欲求ではなかろうか。中村玉緒というエリートが演じた、我々一般人の生き写しがここでは描かれていた。