『ありふれた教室』 | 公式塾長のブログ

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学習塾特命係

この映画で描かれる状況は、日本の学校とさほど変わらないものと思われる。こんな教室は日常茶飯事であり、親のクレーム、先生同士のトラブル、学級崩壊はよくあることであり、大人ぶった小学生の会話はリアルである。ひとつ無いとすれば、このような状況に巻き込まれた教師がずっと頑張ることである。日本では精神疾患で休職、退職する先生が増加していて(かくいう自分も過去はその一部だったが)普通このような状況に陥れば、次の日には先生は来ない。この映画の主人公のような忍耐強い先生は今や絶滅危惧種となりつつある。そういうわけで、この映画はまさに『ありふれた』映画なのだが、どういうわけか気になるのは、これがドイツ映画であるということである。教育とはやら、教師とはやらは無視して、ドイツの映画だと思いながら見ると、これは旧東ドイツのやっていた政治を学校に当てはめたものではなかろうか。社会主義、国家第一、スパイ行為、盗撮、ジャーナリズムのプロパガンダ、秘密警察シュタージ。何かほとんどこの映画に出てくるものは東ドイツがやっていたことに重なる。では監督はそういう意図を持ってこの映画を作ったのか。おそらくは、単純に現代教育のリアリズムを描写したというのが正解だろう。しかし、どうしてもこの映画が、いわゆる学校モノの一種かというと、それは間違っていると言わざるを得ない。