まもなく間違いなくやってくる灼熱の夏。
暑いときは首回りを主に冷やしたいものですが、首の後ろの頚椎を冷やすのはあまりよろしくないそうなので、今年は首の側面の頸動脈を冷やしていきたいと思います。

まずは昨年のおさらいから。

【2019】保冷剤を自作して、猛暑を乗り切る

保冷剤その① 固い保冷剤

洗濯のり(ポリビニルアルコール)とホウ砂で作る、スライム系保冷剤。
粘りのあるネバネバの液体で、凍らせるとカチカチになります。

ポリビニルアルコールは百均で売られている洗濯のりで大丈夫。
ポリビニルアルコール(PVA)と書かれているものを選んでください。
ホウ砂は薬局で買えます。

PVA水溶液

洗濯のり 100ml
300ml

ムラがないようによく混ぜます。

ホウ砂水溶液

ホウ砂 小さじ1/2
100ml

次に別の容器でこちらもよく混ぜます。

PVA水溶液に、よく混ぜながらホウ砂水溶液を加えていきます。ホウ砂の沈殿物は残して捨てます。
十分ネバネバに混ざったら完成。

ちなみにこれが水より優れているのかというと、いろいろ調べた結果「そういうわけでもない」らしいので、容器がしっかりしているなら別に水でいいと思います!
常温時がゲル状なので、破損しづらかったり、市販品の場合はカビを防ぐための添加物を仕込みやすかったりするのではないかと推測しています。

保冷剤その② 柔らかい保冷剤

手触りがソフトな保冷剤。
プロピレングリコール(PG)と吸水ポリマーで作ります。

PG水溶液

プロピレングリコール 100ml
300ml
吸水ポリマー 適量

よく混ぜたPG水溶液に、程よいゲル状になるまで吸水ポリマーを混ぜます。
吸水量は物によって違うので、柔らかい弾力がある、ちょっと緩めのゲルくらいに調整してください。

こちらは凍らせてもカチカチにならず、ソフトなプヨプヨ感を保ちます。
肌に当てるには柔らかくて気持ちがいいですが、柔らかく凍る分、溶けるのも早いです。

理想の保冷剤を作る

さて、昨年もいろいろ考えた理想の保冷剤。

保冷状態を持続する力で言えば熱量の計算があれやこれやでなんだかんだ、ただの氷が最強との噂も聞きます。実際保冷時間というところにフォーカスすると、おそらく水でいい、大きい氷こそベストっていう結論になるっぽいんですよ。
ただし体に当てて使うなら「柔らかさ」が欲しい。
首とか肩とかを冷やしたいと思ったときに、固い保冷剤だと曲がらないから人体に添わせるのが難しいんですよ。単純に固くて痛いし。

手触りがソフトな柔らかい保冷剤と、手触りは固いが保冷能力が高い保冷剤、これらの長所を併せ持つハイブリッドな保冷剤がなんとか作れないものかと。

じゃあ柔らかい保冷剤の中に、固い保冷剤の小さいカプセルを作って入れたらどうだろうか?というところまでが昨年の保冷剤研究でした。
結果的には小さいカプセル作るのすごく難しかったんですよね…

一年経って、一回頭をリセットしました。

PG水溶液を吸水ポリマーに吸わせて作る柔らかい保冷剤ですが、吸水ポリマーはPG水溶液しか吸わないのだろうか。
ひょっとすると、スライムだって吸うんじゃない?

ということで普通の吸水ポリマーに吸わせてみたら、吸いましたね。ちゃんと吸って、粘る納豆みたいになった。
当然ながら凍らせると普通にカチカチに凍りますが、じゃあスライムを吸わせた吸水ポリマーを、柔らかい保冷剤に混ぜてみたらどうだろうかと。

それぞれの成分を混在させてしまうと、最終的には全部混ざり合ってしまうのでは?という気もしますが、とりあえず成分的には混ざっても問題点や危険性はなさそうなので、やってみたいと思います。

大きい吸水ポリマーで、柔らかく曲がる保冷剤を作る。

タピオカとパールタピオカみたいな関係で、粒が大きい吸水ポリマーというのがあります。
消臭剤とか水耕の植物栽培とかに使われているジェルボールのことです。

まずはこれにスライムを十分吸わせます。

これを高保冷効果の核として使用して、PGゲルと混ぜて使ってみようと思います。
ジェルボールに吸わせるのは水でもいい気もしましたが、浸透圧でそのうちまわりのPGゲルと同化しそうなので、違う液体の方がいいのかなあとか、まあそこらへんはよくわからないんですが。

ジェルボールをスライムに漬けた結果、残ったスライムの粘度がかなり増していたので、吸っていたのはスライムの水部分だけであるという可能性も大きいなとも思うわけですが。

容器を作る

今年作りたいのは「頸動脈を冷やすエリマキ」です。
頸椎は冷やさない方がいいらしいので、首の後ろを避けてちょうど首の側面を冷やせるようにしたい。

昨年買っていた塩ビ素材のビニールシートは使っているとあまり都合が良くないことが判明。
耐冷仕様ではなかったため、冷凍すると固くなってしまう=破損しやすいんです。
ということで、今年使用したのは「断熱シート」です。
アルミ蒸着で裏側が発泡ポリエチレンなので、ヒートシールが可能。
体に使用するものなので冷たさがダイレクトにこない方がいいし、保冷時間ものばせます。

こちらをヒートシーラーで熱溶着していきます。

頸椎にあたる真ん中部分を熱溶着してブロック、側面の部分にジェルボールと、PGゲルを封入します。
固く凍るボールの隙間を、PGゲルで埋めるイメージです。
固く凍っても柔らかく曲がる!というわけですね。

できた!

冷凍庫でしっかり凍らせます。

カバーを作る

肌ざわりを考えて、保冷剤を入れるケースも作ります。

裏側に防水加工された肌触りのいいパイル生地を使います。
チクチク縫って、ボタンをつけたら完成。

真ん中の部分から保冷剤を入れます。
保冷剤のバランスが背骨を避けて先の方が凍るように作られているので、重心が前寄りになるため安定しています。

サイズも昨年よりコンパクトだから軽めです。
スペアを持ち歩くのにもいいですね。

カバーを買う

縫い物は苦手なのに我ながらなかなかよくできたと自画自賛していたのですが、翌日百均「Can Do(キャンドゥ)」で並んでいたコレを見て、目を疑いましたね…

まーほぼ同じじゃないですか。ベルクロもついてておまけに百円てwww
早速買って帰って、途中の縫込みが邪魔だったので、一箇所縫い目をほどきましたがそれでまったく問題なし。
自作の保冷剤を入れてひんやり使えます。

素晴らしいですね、百均。ハハハ…

今年はこれで行きます

断熱シートが意外に使い勝手がいいことも判明しました。
入手しやすいのもいいところです。
最終的には、柔らかさにはそんなにこだわらなくてもいいかもしれないというところまできたので、断熱シートとスライムによる保冷剤を量産して使おうかなーと思っています。

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