糒（ほしいい・かれいい）で雑炊を作る

ほしいい。糒、乾飯、干し飯とは、日本古来の携帯食です。
炊いたお米を乾燥させたもので、兵糧や旅の食料、保存食として食べられていました。

難しく説明すると、一度コメのβデンプンを加熱によってα化させた後に水分を取り除くことで、生米とは違ってすでにα化されているため再度加水するだけで食べられる状態にできるもの、ということになります。「一度炊いてある」というところがポイントです。

「ごはん」とは

つまり干し飯とは現代でいうところの「アルファ化米」のことなんですね。アルファ化米と言えば、お湯をかければごはんになる、便利な災害用食品です。
アルファとかベータとか言われると、なにか特別な処理をされているのかと思ってしまいますが、最近開発された特殊なものでもないというわけです。
炊いたお米を乾燥させれば自分でも作れますが、安全性・保存性や完成度を考えると備蓄としてなら市販品を購入した方が良さそうです。

さて、ごはんに関しては、非常時でも必要なら米を炊くから、普通の米と水があればいいと思っています。
燃料ならいろんなのがたくさんあるし、普段からあらゆる炊き方で米を炊いているのでどうとでもなります。炊飯器が使えなくても、カセットガスコンロと鍋があればいい。

じゃあなんで今更お粥を炊く方法を考えてるんだってことなんですけど、「どうとでもなる」のは自分が健康な場合の話だなって気づいたからです。

先日「自分が伝染病で高熱を出して倒れた場合」のことを考えて、買いたくないなあと思いつつレトルト粥のパックをいくつか購入しました。
うちは旦那氏も鍋で米が炊ける人ですが、想定として自分が発症したら家族はできれば他所に避難してもらいたい。自力で食事をなんとかするとなると、高熱を出してる時に生米からお粥を炊くなんてとてもムリです。
で、何個買おうか考えた時に、あまり食べたくないレトルト粥の在庫を抱えるのは嫌だなあと思ってしまいました。

それならすでにアルファ化しているコメ、つまり干し飯の在庫があれば、お湯とかダシとかをかけるだけでお粥になるんじゃないだろうかと。
レトルト粥を温めるのも、お湯を沸かしてかけるのも手間はたいして変わらないですしねー。

ということでやってみたのは以下の２つです。

① アルファ化米

最近は災害備蓄用品でたくさん売られています。
多くはパック入りになっていて、直接お湯を注ぐだけでOK。便利。

米を20g、200ml程度のお湯を注いでフタをします。
10分くらいで食べられる固さになりました。

さらっとした白がゆです。
しかし炊いたお粥と違って、でんぷんが湯に溶け出していないので、お湯がお湯のままで味がしないのがすこし気になります。
お米の味はちゃんとします。おいしい。

② ライスフレーク

馴染みがない方も多いと思いますが、インドの定番朝食「ポハ」に使用するものです。
炊いたインディカ米を平たくつぶして乾燥させたインド版の干し飯で、軽く戻しつつ野菜やスパイスと合わせて炒めて食べます。インディカ米なので日本の短粒種のお米とは形が違いますが、潰れてるのでよくわかりませんね。
ネパールの「チウラ」も同様の食材です。