キャンプ道具を物色していたところ、どう考えてもポリ袋調理に最適としか思えない調理器具を見つけてしまったのです。
それがKeith(キース)のチタン製ライスクッカー。

チタン製で二重構造、内鍋には細かい穴が数カ所開いており、蓋をがっちり止められる金具付き。
米を入れ、規定の線まで水を入れて炊きます。水は底面の穴から外鍋の方にもまわり、蒸気が穴を通して容器内外に充満して、蒸気と圧力で全体的に熱をまわして炊く、というシステムのようです。

チタン鍋というのはとても丈夫で軽く錆びにくいのでキャンプ用クッカーとして人気なのですが、熱伝導率が低いため取手や蓋が熱くなりにくい反面、温まりにくく加熱位置によってムラができるので炊飯には向かないと言われてもいます。この商品はそのチタンクッカーの欠点をうまい具合に利用したものではないでしょうか。

さて、熱伝導性が低い二重構造の鍋に水を入れて炊くということは、空焚きしない限り内鍋の水が接する底面は極端な高温にはならないだろうな、というわけです。おそらくは100℃超えるかどうかくらいのはず。それならHDPLポリ袋が耐えうる温度だし、そのうえ全体的に均一な加熱ができるのではないか?

炊いてみた!

まず、外鍋に水を200ml入れます。
内鍋を嵌め、HDPLポリ袋に給水させた米0.5合、水100mlを入れ、口は閉じずに鍋にセット。
蓋をしてしっかり金具を止めます。
強火にかけ、沸騰してきたら火を弱めて20分程度炊きます。
15分蒸らして完成。

いいじゃない!
芯も炊きムラもなく、ふっくらと炊けています。

ポリ袋の米が入っている範囲は完璧に大丈夫でしたが、上部の鍋肌の上の方に触れていた部分が少しだけ溶けているようなので、耐熱のガラス繊維製のメッシュグリルマットを内側にぐるっと巻くことにしました。これで問題は全部解決。

ガスやアルコールストーブで炊いてもいいし、固形燃料燃やしっ放し炊飯でも大丈夫でしょう。

クククとうとう野外でも完璧にポリ袋でごはんが炊けるようになってしまったようだ。
…なにより鍋を洗わずにすむ!電気とガスが止まっても、断水してても、米とミネラルウォーターさえあれば、アルファ米に頼らずおいしいごはんが炊けるわー。

商品説明

さて、こちらの商品は中華製ですが、日本向けにはあまり出回っていないようで解説に日本語版が入っていませんでしたので、英語からざっと和訳した説明書きをつけておきます。通常の使い方だとこんなかんじです。

外鍋の底部から気化した熱い蒸気が内鍋に入って米全体を均等に加熱し、野外でも失敗なく、香りよく柔らかいライスを炊くことができます。

  1. このクッカーは直火だけでなく、ガス火でもIH調理器でも使えます。
  2. チタン製なので、調理時に塩や好みの調味料をあらかじめ入れることもできます。
  3. ご希望の量のお米を入れてください。(280gまで)
  4. 水をゆっくりと入れて、米の下の、外側のポットまで浸透させます。適切な水位になるまで水分を満たしてください。しばらく待って水位をもう一度確認し、足りない場合はもう少し加えてください。
  5. 水位と米の量の表示線は目安です。お米の種類によって調整してください。
  6. 中火で沸騰させてから、弱火で15〜25分間加熱します。高度によって炊飯時間は変わります。空焚きはしないでください。
  7. 炊飯だけではなくお湯を沸かしたり、スープを作ったり、蒸し料理や炒め物にも使用できます。

炊き込みごはんとかもできるよって書いてあるんですけどね、水分は外鍋に落ちていくので味加減が難しいし正直白米しか炊けなくない?って気がしています。 鍋が二重な分洗い物も多いわけだし、むしろこの鍋でポリ袋で炊いた方が楽に思い通りのごはんが炊けるのではないでしょうかね。