最近聞いた、わたし的に大ニュースだったやつ。

ミニクッカー SR-MC03
2018年10月30日発売予定

“大手電機メーカーのパナソニックは、日本からインドに持ち込んで30年かけて普及させた炊飯器を、今度はインドから日本に輸出すると発表しました。”

“ごはんとカレーを同時に調理することができる、インドならではの2層式の製品などを開発して消費者に炊飯器を広め、現在、インドでは6割のシェアを握っています。”

“輸出するのはカレーなどの煮込み料理も作ることができて、持ち運びが簡単なインドで人気の小型の炊飯器で、若者や1人暮らしの人などをターゲットに、来月から1台7000円ほどで販売する予定だということです。”

インドで普及させた炊飯器を日本に輸出 パナソニック(NHKニュース)
NHKニュース、記事消えちゃったのでニコ動貼っときます。
Panasonicプレスリリース - パナソニックがインドで炊飯器事業30周年

これはすごい。インド電鍋だ!
しかも米を炊きながらカレー(煮込み)を同時にこなせるですって?

すっごい気になる!

しかしなかなかインド家電の資料を探すのは困難。
お国柄なのかパナソニックインドのサイトでも、商品ラインナップはあれど使い方サンプルのようなものが見つかりません。
特にその二層式の情報が知りたいんだけどイマイチわからん。

Electric Rice Cooker(パナソニックインド)

ようやくたどり着いたのがYouTube。
インドの方による炊飯器でのカレー制作動画、けっこうありますね。
炊飯器というとあれですけど、電気クッカーだ。

台湾の電鍋と大きく違うのは、外釜に水を入れないところ。
そう、電鍋でおなじみの間接炊きではなく、本体底のヒーターから加熱する直接加熱式なんです。

直接加熱式炊飯器とは!鍋底の熱源から内釜を加熱する方式のこと。 米を炊く場合、炊飯器内は100℃強の温度にキープされます。調理中は鍋中の水分が沸点に達していて蒸発するため、鍋の放熱と気化熱でそれ以上の温度にはならないらしい。
調理が終わって蒸発しなくなると徐々に温度が上昇してサーモスタットが働き(マグネットが離れる)自動的にスイッチがオフになるんだそうです。
カレーの場合は水分が最後まであるので、放置してても焦げなそうだけど、スイッチは自分で切るんだろうな。日本で売ってるものだと鍋タイプのホットプレートみたいな感じが近そうです。

二層タイプのやつはこれ↓だと思うんですけど…カレーとごはんを同時にやってる映像は結局みつからず。本当に同時調理してる?

下で米を炊いて、上の蒸し器で野菜を蒸してますね。

構造解説

やっぱり両方ではなく米を炊くか、カレーを作るかのどちらかっぽいんですよ。
同時調理はできるけど両方に熱源があるわけではないので、カレーの調理が一緒にできるというよりは、仕上げの煮込みを上の蒸し器部分に皿に入れて置いておけばできるよ、くらいの話なんじゃないかなーという結論です。上段でできるのはやっぱりスチームクックですね。

そういうわけで「ごはんとカレーを同時に調理することができる」という説明はちょっとどうなのかなとも思いましたが、日本とインドではそもそも「カレー」の概念が違うので、一緒に作れるのは肉と野菜が両方入って煮込んで仕上げる日本のカレーではない、ということかもしれませんね。

それと、探した記事の中で、インドでは米におかずの匂いがつくことは問題にはならないから、一つの調理器具を使って米を炊くこともカレーを作ることもあるけどにおい移りについては気にしない、といった記述を見かけました。
あるいはそういう一つ鍋でカレーを作ることもできるし、ごはんだって炊ける、みたいな意味だったのかもかもしれません。
もし詳しい方いらっしゃいましたら教えてください。

ちなみに私はインドのバスマティ米を炊く場合は基本的に茹でて炊いているので、インドでも米はそっちでやる人の方が多いんじゃないかなーと思ってます。6割のシェアと言っても日本と違って各家庭に1台あるわけじゃないでしょうから。

日本で発売されるモデルのインドでの販売価格は、Amazonインドで5,000円前後(これはサイズ違いのですがAmazonレビューの高評価がものすごいです) 。インドの物価からすると高額みたいですが、レビューを見る限り「2年使ってもぜんぜん壊れない!」みたいのものが多くて好評の模様です。2年くらいは壊れずに使いたいよそれ基準がちょっと…って気もしましたけど。

インドは電圧220Vなので、インド家電をそのまま日本の100Vで使うのは難しいです。変圧器があれば使えますが、ベストな状態ではないでしょう。
今回パナソニックさんが発売するものは日本仕様ですから、欲しい方はそちらの国内対応品を買ったほうがよさそうです。
7,000円程度と高価な炊飯器に比べれば安価だし、一人暮らしの簡易な調理器具として考えると、炒めてから煮るまでひと鍋でできるのは悪くないと思います。
結局米とカレー両方一同にやるのは無理そうだけど、シチューと蒸し野菜だったらいけますし。

しかしインドカレー動画探しが思った以上に楽しかったので、ハマってしまいそう。
ビリヤニも炊けるよー

あとこれ、Panasonic炊飯器の開封&使用レビュー動画見つけたんですけど、これ使い方間違ってるよね?蒸し目皿いらないよね???

調べながら思いましたが、電鍋との違いは炊飯方式の他に、好きな内釜を使えるかどうか、というところも大きいです。
日本の炊飯器もそうですが、内釜はきっちりはまっている必要があるので、決められたものしか使用できません。
台湾電鍋(旧日本式炊飯器)の場合は直接加熱式なら内釜に当たる部分が鍋と一体化してますから、その中に何を入れようが、蒸し器や皿を何枚積み上げようが自由なんですよね。台湾のは更に上に長く使える長いフタを作り出したりと独自に進化している。
いろいろ検討して自分にあったものを使うのが良しってことですね。
インド電鍋もこれはこれで欲しいなー。1.5合炊きはちょっと小さすぎるので、通常サイズも発売してほしいです。

追記(2018年12月4日)

いかにも日本初上陸!みたいな報道だったのでそう思い込んでいましたが、どうもほぼ同型の商品が以前にも日本で販売されていたようですね。
レビュー記事も発見。ひとり鍋としての利用法がたくさん掲載されてましたよー。

パナソニック一膳炊き鍋は煮込みや熱燗もできる1人用の万能調理器
アナログ技術の金字塔、パナソニックの一膳炊き鍋が最高だった

日本未発売ですけど、このサイズだと台湾の大同電鍋小型バージョン(三人份小電鍋)も比較検討対象ですね。
3,100台湾ドル(約11,500円)と安くはないですが、二段の釜が入れられるかんじがマニア心をくすぐられる…。これ保温できるし、電圧も問題ないし。
このサイズなら持って帰るのも容易だし、台湾旅行の際にお求めいただくというのも。

TATUNG大同 3人份超美型小電鍋

Toffy ミニライスクッカー K-RC1

こちら先日キッチン用品のお店で見かけましたが、なかなか素敵なデザインでした。かなり小さいので、スープや煮込み用サブ炊飯器として置くのもアリかなーと思いました。