公開から約一か月 興行成績はいまいち伸びなかった模様。

僕的には非常に残念ですが・・・・これも仕方ないことではありますな。

映画は水物ですからね。 

製作者や関わった人たちの気持ちと裏腹に現実と言うものは厳しいものではあります。

 

 

そんなことは さておき 映画の中のシーンでは僕たちの仕事はちゃんと生きております。

結構 セットはしっかりと映えていましたよ。(自己満足)

 

そんなセットたち紹介します。

 

 

これは天津影久の住まいと言うか屋敷です。何となく異様ですね。

庭の土はわざと黒くしてあるのですよ。悪者の家ですから。

 

穴窓は蛇が施してあります。吐鉤群が訪れ悪だくみをする一室ですね。

 

 

 

これは 嵯峨の山の中の街道に建てられた茶店

劇中 閑馬永空と万次 死なない者同士が戦うところですよね。

海老蔵さんが怪演でしたね。

 

なかなか古い感じが出てますね。全部 塗装エイジングでここまで仕上げます。

 

出来上がりです。古い街道の茶店です。

 

 

 

 

これは 閑馬永空の住まい周辺 岩のセット

大道具さんたちがブリキ板をたたいて 張り合わせていきます。

 

継ぎ目はクラフト紙で張ります。そして着色。

これが なかなか 大変な作業なのですよ。

岩はこんなふうに塗装。

 

 

住まいの小屋も塗装エイジングして完成。

閑馬永空と万次との戦いの場です。中央の大木に・・・

 

 

お次は 浅野凜が街道筋で見張ってるシーンのセット

この街道筋の先で 万次と尸良が戦うのです。

全編死闘だらけな映画です。

これも京都の園部の奥にある神社でのオープンセット。

ある屋敷から浅野凜が覗いているという格子窓。

実は こんな感じで作ってあります。カメラアングル用なのです。

 

 

内部は スタジオ内で製作。シーンをつなげるというのはなかなか手間な作業。

 

花街遊郭の一室

天津影久が乙橘槇絵に万次殺害を依頼する部屋。

絵が素敵ですね。これはフリーの絵師 諌山氏が描いたものです。

彼女はなかなかの絵師なのです。

この絵をバックに乙橘槇絵が登場です。

 

 

 

 

万次と橘槇絵が戦う場所。 死闘ばかりのシーン。

戸田恵梨香さん かっこよかったですな。

東映京都のNO.11スタジオに所狭しと建てられたセット。

劇中階段は暗くてディテールはわからないけど 

うちのスタッフが苔までつけての凝りようでした。

 

 

滋賀の山奥でのロケセット。

山崎努さん扮する伊羽研水の屋敷。

入り口山門です。

裏にまわれば あぁ~セットです。

 

屋敷内部は スタジオ内に巨大な発砲スチロール製の擬岩に着色。

三池監督の要望で

岩をもっと苔むした古い感じとのことで美術監督監修のもと仕上げいたしました。

何気ないバックでもこうしたこだわりが映画のシーンを盛り上げます。

 

切り返しの屋敷の庭の縁先に見える石垣塀 これも発泡スチロールなのです。

 

 

 

最後の死闘で 万次と凛が 朽ち果てた旅籠から飛び降りるシーンや細かい動きを合成で撮るためわざわざスタジオで急遽建てられたセットです。危険なシーンなどこういうセットも時には必要なんですね。 これのおかげでこの年の暮30日いっぱいまで働きましたよ。

劇中では合成とはわからないです。

上の合成用セットは この建物の左上の一部なんです。合わせるのに苦労しました。

 

ということで 無限の住人のお仕事のまとめでした。

 

劇中セットも雰囲気よく映っており

僕、 いや 我が社スタッフにとっても 松宮美術監督の元 短い時間の中、

大変な作業の連続ではありましたが、

よくできた仕事の一つと誇る作品の一つと自負しております。

 

まだ公開中ですので まだ観られてない方 観た方 よければ是非是非、足を運んでほしいと思います。 かっこいい作品だと 自画自賛ながら 僕は思います。

 

 

 

おまけです。 色塗る前に雰囲気わかっとけよってことで 

こんな絵コンテも たまに僕らにまわってきます。

写真に撮って無かったけど 一応、武器捨てた井戸も塗ってあるんですよ〈笑〉

 

無限の住人 是非 劇場で・・・

 

ではでは・・・・

 

 

スタッフ
原作 - 沙村広明「無限の住人」(講談社『月刊アフタヌーン』所載)
監督 - 三池崇史
脚本 - 大石哲也
音楽 - 遠藤浩二
主題歌 - MIYAVI「Live to Die Another Day -存在証明-」(UNIVERSAL MUSIC)
製作 - 高橋雅美、亀山慶二、吉羽治、ピーター・ワトソン、鄭泰成、奥野敏聡、大川ナオ、荒波修
エグゼクティブプロデューサー - 小岩井宏悦
プロデューサー - 坂美佐子、前田茂司、ジェレミー・トーマス
撮影 - 北信康(J.S.C.)
照明 - 渡部嘉
録音 - 中村淳
美術 - 松宮敏之
装飾 - 極並浩史
編集 - 山下健治
キャスティング - 杉野剛
キャラクタースーパーバイザー - 前田勇弥
音響効果 - 勝俣まさとし
殺陣 - 辻井啓伺、出口正義
VFXスーパーバイザー - 太田垣香織
画コンテ - 相馬宏光
書 - 岡本美香
ラインプロデューサー - 今井朝幸、善田真也
助監督 - 倉橋龍介
制作担当 - 青木智紀
配給 - ワーナー・ブラザース映画
制作プロダクション - OLM
制作協力 - 楽映舎、東映京都撮影所
製作 - 映画「無限の住人」製作委員会(ワーナー・ブラザース映画、テレビ朝日、講談社、Recorded Picture Company、CJ Entertainment Japan、OLM、研音、GYAO)

キャスト
万次 - 木村拓哉
浅野凜 / 町 - 杉咲花
天津影久 - 福士蒼汰
尸良 - 市原隼人
乙橘槇絵 - 戸田恵梨香
黒衣鯖人 - 北村一輝
百琳 - 栗山千明
凶戴斗 - 満島真之介
司戸菱安 - 金子賢
八百比丘尼 - 山本陽子
偽一 - 北代高士
閑馬永空 - 市川海老蔵
吐鉤群 - 田中泯
伊羽研水 - 山崎努