もう17年くらい前です。

当時、京都映画撮影所 現在は松竹京都撮影所の中に

西岡善信さん率いる映像京都と言う独立プロダクションがありました。

僕もまだ師匠に使われ修行の身でした。

その頃のお話しです。

 

少年Hと言う妹尾河童さん原作のテレビドラマ収録のため 

映画並みの豪華なセットが建てられての撮影でした。

演出は 北の国から の 杉田成道さん。

 

最近では、降旗組で水谷豊さん主演で 映画化されてましたね。

 

現在のテレビ番組では考えられない予算を費やして製作だったと思います。

当時でもこのレベルで美術費が足らないとかどうとか 言ってましたね。

 

元々 映像京都自体 西岡さんが大映時代からの美術監督で 会社を設立。 

映画テレビの製作を請負 その大半が美術費に費やされてました。

会社の利益よりはセットの出来栄えを重視した方針のようでした。

なので、いつも映像京都の美術は製作費が許す限り豪華でしたね。

僕たちも次から次へと大忙しな毎日でした。

 

 

当時はあまり良いカメラをもってなかっいたので画質は悪いのですが・・

 

 

 

中井貴一さん扮する妹尾盛夫役の家のセット。

壁も漆喰塗りで汚し塗装を施されています。

 

昭和な家なのです。戦時中のお話しですから。

 

 

 

 

 

ガスマスクが・・・

 

 

表です。

 

 

 

2階部分のセットです。

 

 

 

劇中出てくる 映画館のセットです。

当時 まだあったNO,2スタジオの入り口に大胆に建てられました。

撮影所の中いたるところを利用してオープンセットを制作します。

まずは大道具さんがベニヤ板で本体を。

 

外壁材を吹き付け塗装。

腰から下は タイルを貼り付けそれなりに形に。

 

このままではきれいなので・・・

 

 

で、それなりに汚し塗装を施します。

 

 

 

そして 装飾や あちこち雰囲気作りして 映画館前の通りの完成。

 

 

映画館内部もNO,3スタジオで 建造。

当時の映画館を忠実に再現。

 

映写室も 再現。当時の映写機です。

かっこいいです。

売店もね。

 

 

 

 

 

 

小学校の教室と廊下も製作されました。

 

教室です。

 

大げさに汚しても 映像に映ればちょうどよいのです。

教室の後ろに張り出された 絵。

こだわってるのはタッチがいっしょにならないように

スタッフ何人かが一人一枚手描きです。僕も描きましたよ。

 

小学校の外観はロケーションです。京都のとある小学校。

 

 

 

普段は時代劇で使用されてるセットも昭和初期の街並みに・・・・・

 

 

 

主人公の家の表。

 

ノスタルジックな雰囲気漂うセットばかりでした。

撮影期間中はバタバタと こだわった仕事だったです。 

 

テレビドラマ 映画 日本の映像業界 これからも

もっともっと頑張ってほしいですね。

 

ではでは・・・・・

 

 

少年H
1999年(平成11年)11月5日にフジテレビ開局40周年記念作品として放送。
 
2001年(平成13年)3月23日後編放送。
 
前編は第54回芸術祭優秀賞
第28回放送文化基金賞テレビドラマ番組賞
2000年(平成12年)日本民間放送連盟賞最優秀賞
 
スタッフ
 
原作:妹尾河童
 
演出:杉田成道
美術:西岡善信
脚本:竹山洋(前編)、大竹研(後編)
 

キャスト
妹尾盛夫:中井貴一
妹尾敏子:桃井かおり
妹尾肇:久野雅弘(少年期)、尾上寛之(青年期)、津川雅彦(老年期)
山本新造:陣内孝則
小林繁夫:吉岡秀隆
花房恵三郎:窪塚洋介
金田正之:杉本哲太
羽田野金四郎:笑福亭鶴瓶
山本勝造:加藤祐輝(少年期)、田中邦衛(老年期)
田森教官:西村雅彦
久門教官:岩城滉一