夢想ストーリー(32) | 青のひととき(隠れサトシックの妄想)



ライブが始まり
5人が登場する。

確かにそこにいる。

いつもの智くんと
まるで別人 

歓声を浴びて、なお耀く姿を見ると
この仕事が天職なんだなと思う。

背中を丸めてソファーの前に座る姿と
同じ人物とは思えない

スターなんだと
つくづく感じる

マイクを通しているとはいえ
生の声が響き渡る

智くんはCDより
むしろ生の方が魅力的に耳に届く

ライブって
いいね

キャンディーボックスをひっくり返したような
さまざまなシーンが繰り出され
ショーアップされた極上の時間を味わう

あっ、この曲

頭に入っているセトリ通りなら
次は智くんのソロ

5人曲の後半になり
一旦、暗転すると
次のソロリレーで
一人一人スポットが当たる

光の中に浮かび上がる4人
智くんはいない

次のソロ曲にそなえ
スタンバイしてるのだろう

登場する場所は知っている
目を凝らして智くんが現れるのを
見ようとしたら
もうスタンバっていた

え!
手にはマイクを握っているように見える。
レポにはそんな事、書いてなかった。

以前、はじめてちえ子さんの家を訪れた時に
バンドマイクで歌う姿が見たいと言った事を
智くんは覚えてるだろうか?

はじめて今回のソロ曲を聞いた時に
自分とリンクさせて
舞い上がった時と同じくらい興奮をした。

だけどあの時もよく考えたら
ライブの選曲は
すでに決まっていただろうし
今回のパフォーマンスだって
曲が決まった時点で
決まっていたのかもしれない。

自分のおごりに反省しながら
見たかったパフォーマンスが
観れる事に感動しながら
その曲を聞いた。

まっすぐに伸びる歌声は
正確すぎてCDかと思う程だ

あれ?言ってる事が矛盾してる?

美しい景色を見て
「絵のようだと」言い
素晴らしい絵を見て
「本物みたい」と言う感情に
似てるのかもしれない

どこを切り取っても美しい
いっときの連続に

胸の奥が揺さぶられ熱くなり
自然と涙があふれて来た。









もぷ。