《高齢者ララバイ(幸齢者)》
※()内最近聞いた恥ずかし言葉

【時代について行けない。】
昔、何故年寄りはこんな間違いを平気でするのか?
と謎に思う事があった。
実はその当時からその脳の働き方は、こうであろう…と何となく分かっていた。
しかし、おこがましい事に、自分が、年を重ねた後に、そうなるとは思ってもみなかった。

ある人は
『バッティングセンター』
を何度教えても
『バッテリーセンター』
と言う。

『バッテリー』と『センター』と言う用語は自分の中で腑に落ちているが、
『バッティング』と言う初めて聞く用語は何度聞いても、体内に組み込まれないのである。

私は
『ダレノガレ明美』さんを
『ダレノカレノ明美』と言ってしまう。
『ナオトイン・ティライミ』さんについては、誠に誠に申し訳ないけど
『ナオトイン・ティラミス』
ってのがもう取れないと思う。


私が若い時、牛乳はミルクパンと言われる片手鍋で沸かすのが当たり前だった。
途中、電子レンジが出て来て、ミルクはそこで温めるのが当たり前になった。

それを当時の高齢者に教えると、自分のオデコを手で叩いて

「参ったなー!あったまるねー!こりゃ可笑しい!あはは!」

と言った。

自分の中で問題は解消してないけど認めざるを得ない時、人はオデコを叩くのだろうか?

時代は進み、色々と未知の物体が登場する。
面倒を解消する為に、便利なもんがどんどん増えて行く。

例えば算盤。
電子計算機の登場で、今まで一体何をして来たのかと、算盤を見つめて思ったもんだ。

「ごわさんでねがいましては!」
と言う、先生の呪文で、張り切って算盤をごわさんにした日々が懐かしい。(ご破産と書いてごわさんと読むらしい。)

最近はなるべく現金を使わない様にと言うキャッシュレス時代が到来した。
悲しい事に、通帳作るなら金メチャ出せよ!本音を言うけど作るなよ!紙勿体無いんじゃ!
と言う、紙の文字を見つめるのが大好きな世代にとって、死を宣告された様な悲しい時代が到来した。

この間、コンビニに行った。コンビニは客で行くのが1番楽だ。

日本人では無い若い人がレジにいても、何の心配もないが、ご高齢者(多分責任者関係)がレジにいると不安しかない。
いくら、肩書きがあっても、高齢者は忘れるのである。

若者と研修を一緒にしても、分かったフリしてマジで分かってない。
それなのに、分かったフリをするのが大得意なのだ。
講師の言う事に大袈裟に頷いてみたり、無駄にメモを取る。(紙で)

そのメモを見ても、分からないコンビニ用語の羅列で、2度と再びメモを見る日は来ない。
来ないどころか、メモした事さえ忘れるのだ。

割と平和な昼下がり、そのコンビニにアイスを買いに行ったのである。
私服の高齢者の人が、颯爽とレジに立った。
颯爽と立ったので、高齢とは言え、責任者っぽいから、多分大丈夫だろうと思った。

ところがなかなかレジが進まない。
ピッと、商品のバーコードを通したその後で、フリーズしてしまったのだ。
正確には、アレコレやってるフリをしている。
高齢者だから仕方ないなーその内出来るから待っとこ〜。
っと、マスクの中で軽く欠伸をして待った。

ところが、それ以降、何をやってるのか一向にレジが進まない。
多分、レジの表示のページ?をめくっているのではないか?
最後まで見たら、最初に戻って、また最後まで見ているのではないか?

私は、PayPayでと言った。

よくわかんないけど、PayPayって場所を見つけようと頑張っているのではないか?

その内私の後ろにも人が並び始めた。3人並んだ時点で、奥の方から若い店員さんが出て来た。

(これでもう大丈夫!)

っと思ったら、当然ながら、私の後ろのお客様を誘導し、そちらのレジは順調過ぎるほど順調に進んだ。

こちらのレジでは、高齢者が相変わらずPayPayを探してる。

モノがアイスだから、あんまり付き合えねーなー。と思ってたら、若い店員さんが横っ飛びに来て、レジのどこかをタッチした。
そしたら、いつも見る、支払い方法を選ぶ画面がこちら側に出た。

私は早速、バーコード決済を押したんだけど、もしかしたら、PayPay払いと言うところが、あったかも知れないと、一瞬目が泳いでしまったのは、内緒。