《恵方巻き》
※いつから?

コンビニの戦術に全国民が嵌められた。

皆、幸せを求めている。
求めている幸せの正体は分からない。
分からないけど、幸せになりたい。

幸せは、待っていてもやって来ない。
自分から掴み取るものだ。(厳しい)

恵方を向いて、太巻き寿司を黙って丸かぶりすれば願いが叶うと言う。

太巻き寿司は普通切って食べるものである。
切って、その断面を楽しむのだ。
真ん中に上手いこと寄せてる具を見て
卵とー三つ葉とー椎茸とー
などと一つずつの確認作業も楽しい。
上手に巻けた時だけ。

上手に巻けなかった時は悲惨である。
巻いてる時から、失敗の予感がする。
それでも切らねばならぬ。
思わず目を背けたくなる悲しい断面図。
胃の中に入れば皆同じだから!
と言う、ひどい励まし言葉に涙が頬を濡らす。

等々の悲しい状況には一切ならないのが、恵方巻きなのである。

具が真ん中だろうが端っこだろうが、関係無いのが恵方巻きなのである。

わざわざ、今年の恵方をGoogleで検索して、その恵方(怪しい)を向いて、心の中で願い事を唱え、黙って丸々一本を食す。

一人でやっても馬鹿馬鹿しいのに、家族が増えれば増える程馬鹿馬鹿しい光景がそこに広がる。

一人の時は日頃割と独り言が多かった自分に気がつく。

家族でする場合、必ずお父さんが一番に食べ切り、得意満面で家族を見回す。

家族は誰一人としてお父さんとは目を合わさない。そこで、お父さんは
「お父さんは食べたから、もう何を喋っても良いんだよー」
と、子供じみた事を言って無駄に勝ち誇った顔をする。

家族は誰一人として目を合わさない。合わさないどころか、背を向け始める。

お父さんは、末の息子に変顔をして笑わそうとする。罠にハマった末の息子は、声を立てて笑ってしまった。

お父さんは
「わー!声出したー!もう願い事叶わないー」

と息子を指してこれまた子供じみた事を言う。
息子は、あと一口だった恵方巻きを握りしめて、泣き出してしまった。

そっから修羅場。

毎年節分の時期に、この様な騒動が繰り広げられていると言う。

恵方巻きを世に広めた人はホントに凄い!!

#五十嵐先生
#恵方巻き
#節分