《老いる女》
※女も禿げる

盆踊りに行くと、年1すごく元気な盆踊りさん達を見る。
1年どこでどうやって暮らして来たのか?と思うほど。もしかしたら、どこかではずーっと盆踊り大会やってるんじゃないか?そこに参加しているのではないか?
それくらい、生き生きと楽しんでいる。

でもこれはやっぱり年1の行事なのだと、認識する現象がある。
盆踊りさんの化粧が浮いているのである。

浮くとどうなるか?

浮くと怖い。

暗い夜の盆踊り。仄かに提灯の火が灯る。その提灯の灯りに、浮かび上がる老女の顔は、怖い。

年1の行事だから、特に念入りに施される化粧。

怖い。

年齢を重ねてふと周りを見渡すと、当然、若い女の子たちがいる。

自分もつい最近まで、あそこの中に入っていたはずなのに、自分の近くでは、孫がもう、そう言った若い子たちの仲間入り。

その若い女の子たちは、当然の様に流行の化粧をしている。

老女たちはしきりに言う。

「あんなに肌が綺麗なのにお化粧なんて、しなくてもいいじゃないの!」
「もったいない!!」
下手すりゃ目を釣り上げて、口角泡を飛ばして言う。

最近、私は思うのだ。若い子だって、美人とそうじゃない子がいる。
多分、その差は生涯縮まる事はない。
美人は化粧をして尚華やかに輝き、じゃない方もとりあえず若さだけを武器に出来る一瞬の青春。

だから化粧をするのである。

化粧にも流行がある。昔は麻呂眉毛みたいなのが流行った。どんな美人もヘンテコに見せる麻呂眉毛。
また流行ればいいのに。あの顔は面白い。
話が横道に逸れた。


老女は若い女の子たちの化粧と肌の問題より、自分の後頭部の心配をした方が良い。
年1、あんな白浮き化粧を頑張るより、後頭部に注目して欲しい。

あなた禿げてますよ。

それ、ツムジでも分け目でもないからね。