キツイ恋のお話①



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その人と、たまに高校の最寄の駅で会う事があった。
同じ中学出身の2人は、当然、最後に同じ駅で、降りる事になる。

何となく、自転車で2人で帰る事になった。
2人と言っても、2人乗りの麗しいタイプではなく、各々自転車を漕ぎながら、並行するのである。

その偶然が続く事になり、

私はその偶然を毎日待ち侘びた。その人の事が好きになったのだと確信した。

部活の時間になると、無駄に走り込みに行った。
その人の姿を見たかったのだ。

その人を見ると、胸が高まった。

この気持ちをどうすれば良いのか、分からなかった。

私は偶然を装って駅でその人を待つのが日課になった。

片思いでもいい。楽しく自転車で並行出来ればいい。

2人の共通の話題は「嗚呼!花の応援団」この話をしながら、楽しく自転車を漕いだ。



その人が、自転車置場で私を待ってくれていた事があった。
その日は寒い日だった。小刻みに足を動かしていたその人。私が来たのを認めると…

真っ直ぐに私の目を見て

「一緒に帰ろう」

って言ってくれた。
私の為に、寒さに耐え、小刻みに足を動かしながら待っていてくれたのだ。

この時、初めて一緒に帰った事になった。

私は、もしかしたら、その人も私の事が好きなのかも知れない…と確信に近い気持ちになった。



私はこの想いをある日先輩に打ち明けた。

                       ー続けー