監督: 金田敬
2008年公開
原作:谷崎潤一郎『春琴抄』(1933年)
所要時間:1時間25分

 

本作は、昭和の文豪・谷崎潤一郎の小説をもとに制作された映画です。
1976年に三浦友和主演で映画化されていましたが、
2008年に斎藤工主演でまた映画化されたのが本作となります。
舞台は明治初期の大阪で、
大阪道修町の薬種商「鵙屋」の次女・春琴と、
奉公人・佐助の純粋で究極の恋愛物語。
春琴は9歳のころに目の病気になり失明していて、
目が見えないながらも三味線の能力に秀でています。
彼女はもう師匠と呼ばれるほどの腕前で周りからも尊敬されていました。
 

そんな彼女の身の回りのお世話をしていたのが佐助ですが、
彼はある日から春琴に三味線を教えてもらうことに。
あまりに献身的な彼の姿勢を、春琴は常日頃から信頼していました。
やがて佐助は春琴に愛すらも超えた感情を抱くようになり、
盲目である春琴の「見る」世界を自分も見てみたくなり、
彼は自分の目をつぶしてしまうのでした。
究極の愛の何者でもない行動に、
本作の小説を読んだ当時は心底驚いたのを覚えています。
実際にはなかなかあり得ないけれど、
ここまで想像した谷崎もやっぱりすごいなと思います。
当時27歳の斎藤工の名演技にも注目。