監督: 松居大悟

2015年公開

所要時間:1時間24分

 

 

「エモい」という言葉が登場してもうどれくらい経ったことでしょう‥‥。
その感覚って人によってちがいますよね、
わたしにとっての「エモい」はまさにこの映画『ワンダフルワールドエンド』の
世界そのものを指しているといっても過言ではないのです‥‥。
 

 

この映画を知ったきっかけは、公開当初、大森靖子ファンの友人に教えてもらったことでした。
ふたりで一緒に観賞して映画館を出たあとの街がきらきらしていたのを覚えています。
ひとことでいえば橋本愛と蒼波純演じるふたりの少女の恋物語です。

 

 

役者のたまごシオリ(橋本愛)はインターネット配信もしていて、アユミ(蒼波純)はその配信でシオリに出会います。
アユミはいわゆるゴスロリファッションのおんなのこで、シオリにあこがれてシオリの活動を応援していました。
そんなふたりが出会って惹かれあっていく過程が本当にエモいんですよね‥‥。
ガラケーでお互いと撮影しながら、お互いに尊敬していて大好きだということを告白していくんです‥‥。

 



橋本愛の誰かのとくべつなアイドル感と、蒼波純のどこにでもいるような純粋な少女感が
この映画の核になっているように思います。
アユミが画面の向こうの存在だったあこがれのシオリと、おなじゴスロリを身にまとってお花畑を駆け回るシーンは
大森靖子の音楽と映像の演出とに混ざり合って本当に本当に夢のような美しさなんです。

 


もろくてせつなくて、一瞬で消えてしまうようなでも確固とした絆が感じられました。
痛々しくて危うくて誰かの心に突き刺さるのに、どこかあわくやさしい恋愛映画です。