次男が神妙につぶやく

「あれから……か……」

ん?何のことだか、ボソボソ言われてもわかんわい。とコチラもボヤいておりますと、

普段は、テレビ台の奥底にしまってある、籐の籠に入った愛犬メモリアルセットが取り出されているのに気付いた。

籠の中には有るのは、割と綺麗な紅白柄のリード、薄汚れたサッカーボールの玩具、水色のロープの玩具はカミカミの跡でほつれてる、

それから、小さな数珠と、白い可愛らしい柄の入ったペット様の骨壺。

そう、4月5日はうずらの命日だった……

我が家のマスコット、ウチの愛犬、うずらがお隠れになり、二年を迎えた。

享年は13才、生きてれば今頃15才。
ウチの長男がもうすぐ14才になるので、いよいよ子供がうずらの年齢を追い越してゆく。

犬猫年齢換算表なるモノがあって、みてみると、彼女の享年は71〜73才となる。

ん〜そういや、結構なおばあちゃんになってたのよね。

愛犬の命日を忘れない、けれどこの命日の二日前にあった父の誕生日はすっ飛ばしてしまう、優しいのか?薄情なのか?よくわからん次男のおかげて、色々思い出してきた。

供養と思って、ちょっとだけ書いてみる。


食欲の塊で、まるでご飯を飲み物みたいにがっついて、もっとクレクレしていたのに、

晩年は優雅に優雅に食事を楽しみ、けれども若い頃と変わらない立派なウンをひり出してた。

元々、散歩には執着しないタイプだったけど、やっぱりお出かけは好きで、いつだって遠足前の子供みたいにはしゃぎまくってた。

けれどもやがて、途中でトボトボ歩きにすぐ疲れて、お家に帰りたがる姿は、まあ、年相応だったのかな。

それでも、生涯変わらなかったのは、うずらのの持つ愛嬌と、感情が直ぐに現れる白目がちな目。

ドックトレーナーさま曰く、通常、犬は黒目だから、白目が現れるのは、クジラ目って言われる犬のストレスサインらしい。

そうなのか!ウチのうずらは常に白目を見せてチラ見してたから、ストレスフルな13年だったのかな……

そりゃテーブルの、ギリギリ前足が届くか届かないかの所に、大好きなジャーキを置く。欲しくて欲しくて短い前足をで空振りパンチを繰り出す。ちょっと後ろ足でジャンプする。何度もチャレンジする。惜しい!

仕舞には、白目がちな目で「ギャン ワン」と怒ってる姿を、……カカカと笑ってたりした。

食事中、足元でなんかクレ〜て感じでヨダレタラリな顔を見てると、つい、出来心でワサビのチューブを顔の前で「パフパフ」と香りを送って差し上げる。
すると、無言で部屋のなかを走り回る。凄く走り回る。なかなか止まらない。鼻汁も止まらない。そんな姿を、……カカカと笑いもした。

それから、ビールの6缶パックの紙ケース位のサイズ感で、頃良い小洒落たお帽子になりそうなモノを見つけては、頭からズボッと被らせる。しばらく固まる。ブルブルして脱げちゃう。

でも、中には簡単に抜け無くて、首がもげるほど振り回したり、バックオーライする姿を、……やっぱりカカカと笑ってしまった。


そんな時は、ウズラは「ブシュン」の鼻汁を飛ばしては、チロリと白目をみせていた。

そうか、アレはストレスサインだったのね。
ごめんなさい。もうしません。


意地悪ばかりしてたのは、クラスの好きな子についちょっかい出すのと同じかもね。昭和に小学生時代を過ごした世代やからね、愛情表現が下手くそなのよ、申し訳ない。


そういや、うずらの事をあまり書いてこなかった……とブログを見返してると、一つあった。



ちょっと、リンクの貼り方を試したかったところなのよね。2011年とは古い!
上手く、過去へ飛べるかな……?


嗚呼、またイタズラやらかして、あの白目をみせてほしいよ、うずら!