ロジャー・デュボアザン「ぼくはワニのクロッカス」
今江祥智、島式子/訳
大好きなロジャー・デュボアザンの児童絵本です。絵だけでなく、ストーリー共にロジャー・デュボアザンなので期待して読み始めです。カラフルな表紙の大きなワニがなんとも魅力的に感じます。
主人公は優しいワニのクロッカスです。誰も傷つけるつもりはないのに、ワニというだけで怖がられます。誰も近づいてくれません。人間には鉄砲で撃たれそうになります。だから昼間は木のウロに隠れていました。
そんなクロッカスにも素敵な出会いがありました。ワニを気にしないアヒルのバーサです。バーサはスイートピーさんの農園のアヒルです。クロッカスを農園へ案内します。始めはクロッカスを怖がっていた農園の動物達も次第にクロッカスを仲間と思い始めます。そんなある日、クロッカスは農園の主スイートピーさんに見つかってしまいます。友達の協力でなんとか隠れたクロッカスは、スイートピーさんに毎日花束を贈り認めてもらえるようになりました。
「同じ趣味の友達に出会えたら、世の中ぐんと楽しいものだよな」としみじみ思うクロッカスでした。
見た目だけでなく、中身で人を見ることの大切さの絵本です。でも、「人は見た目じゃない」なんて正論を言うだけの絵本ではありません。中身を知ってもらう努力の素晴らしさや、友情を描いた絵本です。絵柄も素敵なので、「見た目」の重要性(清潔さ)も気づける児童絵本です。
読み聞かせしながら楽しんで欲しいおすすめの本です。
