佐藤まどか「一〇五度」。

 青少年読書感想文全国コンクール課題図書


 高校入試や模擬試験によく出題される作家さんの作品です。今作は、先日の青森県全県テスト(中3の校外模擬試験)で出題されました。積み本の中にあったのを思い出して早速読んでみました。


 タイトルの105度は、椅子の背もたれの角度です。椅子好きの中3生男子が、椅子のコンクールに向けて頑張り成長する姿を描いています。

 祖父が椅子職人の主人公・真は、とにかく椅子が好きです。父親は、成績優秀な真を安定感のある職業に就けるためクリエイターの夢には反対です。そんな中、転校がキッカケで椅子職人が夢の同級生女子・梨々に出会います。真の頭の中のデザインを現実にしてくれる梨々の登場で、夢の第一歩・コンクールに向けた秘密のプロジェクトがスタートします。


 真の病弱な弟を持つ家庭環境や、女子ッポくなりたくなくてスラックス制服を選ぶ梨々など、差別や自立のストーリーでした。また、クリエイティブな仕事の生きづらさや、遠回りに見えたり関係無さそうに感じる勉強が実は大事なことなど、学生に読んで欲しい作品でした。マンガ・ブルーピリオド などが好きな人はぜひ読んでみてください。


105度の椅子の座り心地、興味が湧きました。