「ジャクとまめのき」

 しぶきけんたろう文 たかはしつねお絵


 定番の昔話絵本ですね。イギリスの民話(フォーク・テイル)と妖精の話(フェアリー・テイル)が混ざったお話しのようです。ヨーロッパ全体に似たような話しがあるそうで、特にこのイギリスの民話はスコットランド人とノルマン人の対立が根にらしいとか。

同型の話しが多いので本によって細部の違いが激しそうです。私の知っている話しには猫が出てきませんでした。原本に近いこの本では、猫が重要な役割りを果たしていました。

 絵本なので絵も重要で高橋恒雄さんの絵が、なんとも言えず不安定でワクワクと不安感を与えてくれます。今の絵本には無い、古くて刺激的な絵柄が読み聞かせにおすすめです。


 ある日、貧しいジャクは乳の出ない牛を売りに出かけます。途中で会った男と、牛と魔法の豆を交換してしまいます。そして、母親に怒られ、豆を捨てられてしまいました。次の日、豆は大きな木になり、ジャクはそれを登り雲の国へ行きます。

 雲の国の鬼の城から金貨を盗み出し、ジャクは数年幸せに暮らしました。でも、金貨を使い切ったので、今度は猫を連れてまた雲の国へ・・・。


 段階を踏む昔話絵本は読んでいても楽しいですね。読み聞かせのあとに、順番を確認するクイズなどもできるのでおすすめです。