田丸雅智「遅刻する食パン少女 おとぎカンパニー」。
ショート・ショートが有名な作家の短編集です。
表紙とタイトルに惹かれて購入しました。
都市伝説化している昔のマンガやドラマの設定を使って短編集にしています。
食パンをくわえた少女と町角でぶつかって・・・。
飛行機で「お客様の中に、お医者様はいらっしゃいませんか?」
崖に追い詰められて罪を自白。
部屋の窓から行き来する幼馴染。
嵐の中、洋館で事件。
一冊の本を取ろうとして、手が触れ合う。
「前の車を追って下さい。」
天使と悪魔が決断を左右する。
バーで「あちらのお客様からです。」
学校の屋上で寝転がる一匹狼。
などなど、実際には見たことないけどベタな設定、日本のオタクカルチャー的には伝説的な設定のオンパレードになっています。
バラエティ豊かな設定を、現代風にアレンジして読ませてくれます。メタ展開な話や、違うファンタジー成分を足した話などで一捻りしてあり、楽しく読めました。短く、展開が早いので読書が苦手な子におすすめです。
ショート・ショートで有名な星新一が好きな方にもおすすめします。星新一を読んだけど、古さを感じてしまう人には、田丸雅智さんが合うかもしれません。