芦辺拓「ネオ少年探偵 電送怪人」。


 江戸川乱歩の少年探偵団シリーズへのオマージュ作品です。昭和の名作ジュブナイルを見事に平成に甦らせています。



 主人公の小学生の男の子が、帰り道で携帯電話を拾ったことから事件に巻き込まれます。古い廃屋ビルに誘い込まれ、電送怪人に出逢います。電送怪人は、怪人二十面相張りに予告状で宝石や絵画の窃盗を行っていきます。主人公は同級生と少年少女探偵団を結成、探偵や警察の協力のもと大団円を迎えます。


 まさに、少年探偵団シリーズです。小道具や設定が平成になっていますが、雰囲気は江戸川乱歩のままで楽しめます。令和の今でもそんなに古くなく、少しの懐かしさで読めそうです。

 電送怪人も、「ザ・フライ ハエ男」の電送のオマージュかな?大団円の迎え方も、少年探偵団シリーズを彷彿とさせます。

 江戸川乱歩を読んだ保護者は、ぜひお子さんと一緒に読んでみて欲しいおすすめの一冊です。


 ちなみに、今回この本を購入したきっかけは、山本弘 の「BISビブリオバトル部シリーズ 」です。ノンフィクションやフィクション、SF、ミステリー、ラノベ、特撮を魅力的に紹介してくれる青春小説でおすすめです。