伊坂幸太郎「逆ソクラテス」。


 高校入試に出題された作品です。


 まさかの伊坂幸太郎作品が高校入試に出題されました。受験で心の余裕は無いのでしょうが、羨ましいです。


 これまで何冊か読んでいますが、伏線バリバリで結構人が亡くなる話しが多く入試?って疑いました。

 ですが杞憂でした。伊坂作品には珍しく、子供が主人公で人は亡くなりません。中学生の国語の課題にピッタリな作品でした。


 内容は、連作?短編集です。テーマは、「敵は、先入観」です。


 5編の登場人物の名前が被ります。ですが、読むと時間がズレていて実は繋がって無い可能性があり、全体を通しての伏線回収も正確なのかわからない仕組みで混乱して終わります。さすが「伊坂幸太郎」って感じの一筋縄ではいかない作品です。


 小学生から中学、高校、大学生、社会人と主人公達が成長していき、目線や考え方も変わるので、どの世代でも共感出来そうです。全てにおいて、「先入観」を持つと最後にひっくり返されます。



 読んだ感じが、伊坂幸太郎作品ではありますが、重松清+道尾秀介の様です。重松清作品の子供目線に、道尾秀介の黒さが加わった様な、エンターテイメントに溢れたおすすめの作品です。